第3話「ダークちゃんオープニング」

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ワイルちゃんはサルーインちゃんとミニオンちゃんたちと朝食を済ませた後、
(もちろん三姉妹専用三ツ星シェフがいるのです)
特別三人用のミニオンちゃんたちの室で 一人考えていました。
(ヘイトちゃんは何故か変装してスケートに行ってしまい、ストライフちゃんは一服しに出ていました)
ワイルちゃん(あのミルザさんて奨学生、貧乏の割にはモテるんじゃないですか・・・まあ顔も悪くはないし
   おかしいことはないか・・・あのアルドラって女なんてモロベタ惚れ・・・はっ)
ここで策略家を自負するワイルちゃんはピコーン!と閃きました。
ワイルちゃん(この手はどうだ!?うん、これはいい!早速デスちゃんの所へと向かわなければ!!)



デスちゃんは普段、大抵、いつも、常時、自分が部長を務める「冥部」の部室に引きこもっていました。
そんな冥部の門を開かれたので、デスちゃんは威風堂々と言いました。
デスちゃん「生気あるものがここに何をしにきた!」
ワイルちゃん「デスちゃんさま、私です、ワイルです」
デスちゃん「なんだ、サルーインちゃんの腰巾着娘の一人か。して、何用かしら?」
ワイルちゃんはこれまでのあらすじ、極貧民の分際でサルーインちゃんに恋着するミルザくんのこと、
そのミルザくんがエロールちゃんに唆されて「運命の赤い石糸」とやらをゲットし、
更にその力でサルーインちゃんまでもゲットしようとしている不遜な輩であり、
更に更にそうすることで生徒会長戦も妨害しようとしているということを伝えました。
デスちゃん「ふーん。そうかー。(なんかどうでも良さそう)」
ワイルちゃん「そして、アルドラという女子生徒のこと・・・」
デスちゃん「ほう?」
ワイルちゃんはデスちゃんの耳にこにょごにょとささやきました。
デスちゃん「・・・ふーむそれを逆手に利用しようと言うわけね」
ワイルちゃん「はい。デスちゃんの妹君サルーインちゃんの為・・・いかがでしょう?」
デスちゃん「・・・わかった。姉として妹に義理立てしてあげよう。きっと役に立つだろう」
ワイルちゃんはニヤリと笑って冥部から出て行きました。



アルドラちゃんは授業にも出ずに自室でぐっすりと眠りながら(昨日のウハンジ寮長のせいで
 夜寝ていなかったのです)心地よい夢を見ていました。
『大丈夫かいアルドラ?』
あの時のミルザくんの姿が脳裏に蘇ります。とても嬉しかった。アルドラちゃんは至福でした。
と、そこでジリリリリリと目覚ましの音が鳴りました。
アルドラちゃん「ああ、んもうちくしょう・・・でも3限目はウィザードの修練だし行かなきゃな」
さて、と女の子のたしなみとして髪をポニーテールに結おうと鏡を見た瞬間・・・

ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ・・・・・

マルディアス学園中に凄絶な絶叫が響き渡りました。ホラー映画のようでした。



ミルザくん「ぶっ!!!い、いた・・・なにいまの音・・・声?」
10分の休み時間中も果樹園バイトをしている貧乏ミルザくんの耳にもその絶叫は
聞こえていたのでした。耳が痛くなるほどの大音量に、ミルザくんは耳を押さえました。
アルドラちゃん「ミ、ミ、ミルザァーーーーーーー!!!」
ミルザくん「アルドラ?・・・・・・・・・・・・・・うわっ」
ミルザくんはマジで「うわっ」としか形容できない表情をしていました。その表情を見て
アルドラちゃんは愕然と後悔をしました。アルドラちゃんはこんな「醜い姿・・・」
『ダーク』と呼ばれる呪いの姿にかかっていたのです!
そんな己の姿を動転してミルザくんに見せてしまったのです。
ミルザくんも形容し難い呆然とした顔からやっとはっとして、気を取り直したのか動転したのか
そんな姿のアルドラちゃんに話しかけ始めました。
ミルザくん「あ、あ、アルドラなのかい?アルドラ?ドラ?どうしたんだアルドラその姿は!あっいや
   ちょっおま首折れてる!!?折れてるよ!!病院!病院行かなきゃ早く!」
そんなミルザくんの対応にかなりショックを受けながらも、アルドラちゃんはミルザくんに
手を引かれて病院に連れて行かれそうなりました。ミルザくんとアルドラちゃんが
果樹園から出ると、偶然か、運命のいたずらか、なんとサルーインちゃんが通りかかるところだったのです。

ミルザくん「はうっ!!!」
抗えぬMの性、恋が故に、憧れの君の姿を目にしたミルザくんは
首が折れてるアルドラちゃんのことさえ一瞬忘れてしまいました。
そんなミルザくんをアルドラちゃんは見逃しませんでした。アルドラちゃんの女の感が働きました。
サルーインちゃんはシェラハちゃんと共に歩いていたところでした。
手を繋いだミルザくんとアルドラちゃんを、サルーインちゃんはSっぽい冷ややかな流し目で一瞥すると、
(ここでもミルザくんのMっ気は発揮され、かなりゾクゾクしていました)
アルドラちゃんの方に目をやって一言こう言いました。

サルーインちゃん「アッハ!なんと醜い・・・」

アルドラちゃんは絶句しました。
一言残してサルーインちゃんたちは去ってゆきました。シェラハちゃんは
「醜いと聞くと悲しい話を思い出すわ・・・リメイクを切望されたゲームの美人キャラクターのこと」
その後角が云々などど言っていましたがそれはさておき、アルドラちゃんは絶望と燃え上がる憎悪と、
そして嫉妬の中にありました。「醜い」と言われただけでも理不尽で許せないのに、その言葉を
自分に浴びせかけた女生徒は、学園一、二を争うものすごい美人でした。言葉にならない屈辱、
許せない憎悪、そして、そして何よりアルドラちゃんは気付いてしまったのです・・・
そのサルーインちゃんにミルザくんが恋しているということに!
ミルザくん(はう・・・サルーインちゃん・・・ハアハア・・・)
恍惚とサルーインちゃんのモデル歩きな後ろ姿を見続けていたミルザくんでしたが、はっと
アルドラちゃんのことを思い出しました。
ミルザくん「ご、ごめんアルドラのろのろしちゃって、さ、病院に・・・」
アルドラちゃん「心配するなミルザ」
ミルザくん「え?」
ミルザくんが影も形もなくなったアルドラちゃんの顔を見ると、ミルザくんはぞっとしました。
その醜い姿は、ますますおぞましくすら見えたのです。
アルドラちゃん「なんでもねえよ・・・お前に心配してもらうことじゃないさ・・・じゃあな」
昨日見たアルドラちゃんとは違う姿のアルドラちゃんは、そういうとミルザくんの手からすり抜け
去ってゆきました。ミルザくんは呆然とその後姿を見送っていました。



アルドラちゃんは行き場のない気持ちを反映するかのように、せかせかと早歩きで,、当てもなく
学園中を回っていました。行き交う人の「うわっ」という声も歯牙にかけずに考えていました。
アルドラちゃん(サルーインちゃん!・・・あの女を俺は知っている、知らない奴がいるものか!
   あんな金持ちで育ちのいい美人・・・かなり美人なだけの女!そういやあの女今回の生徒会選挙に
   立候補するんだって?はっあんな奴が生徒会長になったらこの学園もお終いだな!
   男子生徒どもがぎゃーぎゃー騒ぐだけさ・・・ああ、その中にミルザもいるというのか!
   ああ・・・ミルザどうして・・・ミルザ俺は許さないぞ、あんな女とお前が結ばれるなんて
   許さない、俺はお前を愛してるんだ!!)

???「もしもし、そこのお方・・・?何か首が・・・いえ具合がよろしくないように
   お見受けしますが、大丈夫ですか?」
どこからともなく話しかけられアルドラちゃんはぐるんと首を回しました。そこには赤い制服の
見慣れない生徒がいました。
アルドラちゃん「うるせえよ!!かんけーねーだろほっとけ!!」
???「おや、すみません大きなお世話を・・・そうそう、そういえば今回の選挙・・・」
選挙という言葉にアルドラちゃんはピクリとしました。あのサルーインちゃんを連想したからです。
???「二年のサルーインちゃんは現生徒会長エロールちゃんの強大な対抗馬ですね・・・
   しかし何でもサルーインちゃんの生徒会長就任を妨害するためにミルザとかいう奨学生が
   頑張っているとか・・・」
アルドラちゃん「なんだって!?どういうことだ!?」
アルドラちゃんはいきなり耳に入ってきたその話が解せませんでした。ミルザくんがサルーインちゃんを
好きなら、当然生徒会戦も応援するものと思っていたからです。
???「それが何でも、他の男に人気が出て更に競争率が高くなるのを阻止するためだとか・・・
   しかも不思議なことに、彼はサルーインちゃんと結ばれるためにあの伝説の石、
   『運命の赤い糸石』まで探しているとの・・・いえ、ここだけの話ですよ」
そこで3限目を知らせるチャイムが鳴りひびきました。

???「おや、もう3限目ですか。では、私はこれで・・・」
アルドラちゃん「待て!!お前は一体、どこのクラスのどいつでミルザとはどんな・・・」
???「私のことはそうですね・・・赤女子高生とでも呼んでください。それでは、また・・・」
そう言って赤女子高生は掻き消えるように去ってしまいました。
アルドラちゃんの頭は混乱していました。憎いサルーインちゃん、選挙、醜い自分、愛しいミルザが
サルーインちゃんと結ばれるために頑張って・・・愛しいミルザ、愛しいミルザ・・・
その時マルディアス学園中に「俺はミルザを愛してるーーーーーー!!!」という叫びが
こだましました。その時アルドラちゃんはプッツンしたのです。そう、彼女は生まれ変わったのです
新生「ダークちゃん」として!
これから彼女はミルザくんにとってとても大きな存在となるのでした、そう、
とても大きな「恋の障害」として・・・



ストライフちゃん「お前の変装癖もたまには役に立つようだな」
ヘイトちゃん「私の変装が役に立ったのです。感謝しなさい」
ワイルちゃん「もう変装といていいですよ、ヘイトちゃん」
ヘイトちゃん「いやあァぁああんむワイルちゃんてヴぁ一人で手柄取ろうとしちゃってヒャー★☆★!!」
ストライフちゃん「ふん、あの女・・・いや女だか知らないが・・・虫けらだが、図らずも
   上手く動いてくれそうだな。ミルザとアルドラ・・・虫けらは虫けら同士潰しあうのがお似合いだ」


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