第11話「ダーク」

TOP / MENU



タイラントくん「ところで―――」
今日もまた、タイラントくんとデスちゃんは三途の川で
優雅なアフタヌーンティーを楽しんでいました。
タイラントくん「死人にくちなしとも・・・
        そうだな、死人は現世に強い後悔があれば化けて出ると言うな。」
タイラントくんが紅茶を手に持ちながら神妙な顔つきで言います。
対面に座るデスちゃんが、真っ赤な唇をゆがませ笑います。
デスちゃん「なんだなんだ?死をよく知る私に
       そんな俗話をして・・・何が言いたいんだ?」
タイラントくんは、懐からぼろぼろになった一枚の紙を取り出し、デスちゃんに見せました。
タイラントくん「この顔に見覚えがないか?
        学園創立史上最悪の騒乱を起こしたあの・・・」
デスちゃんはその紙、学園新聞を見て、顔つきを変えました。
デスちゃん「まさか・・・まさかあの時―――」



ストライフちゃん「あ、ああ、あああ・・・」
いつものように寮の自室の郵便受けに入っていた学園新聞を見たストライフちゃんは、
顔を青くして新聞を床にぽとりと落としてしまいました。
ワイルちゃん「ストライッフちゃ〜ん♪たまには二人だけで食事でも・・・ん?」
小走りで来たワイルちゃんは、ストライフちゃんのただならぬ様子に首を傾げました。
ワイルちゃん「ちょっと何固まってんのストライフちゃん?」
ストライフちゃんの顔を覗き込むワイルちゃん。
ストライフちゃんは、何も言わずに自室にばたんと入り直してしまいました。
ワイルちゃんの頭の中に疑問符が浮かび上がってきます。
その次の瞬間、ワイルちゃんは床にぽつりと落ちている学園新聞に気がつきました。
学園新聞を拾い上げるワイルちゃん。
新聞を見たワイルちゃんは、小さく「あっ」と声を上げ、驚きました。
ワイルちゃん「この人ってもしかして・・・」



モーロック「もうこいつは駄目だな。」
ラミア「今度はフレイムタイラントだってさぁ〜。まぁ、アレが相手じゃ仕方ないわね。」
黒こげで昏睡しているバルバロイくんの周りを、モンスター達が囲んでいます。
ラミア「まったくもぅ〜なんなのよ!将魔たち叩き起こして仇取っちゃう?」
モーロック「今はまだ寝かせといてやれよ。いつかその時も来るさ。」
デーモンコマンド「呼んだか?」
リザードロード「何かね?」
ラミア「ぎゃっ!将魔!」
背後から突然やってきた黒い悪魔ととかげ戦士に腰を抜かすラミアちゃん。
リザードロード「何だ、君起きてたのか?」
デーモンコマンド「それはこちらのセリフだ・・・で、マスターはどこだ?」
リザードロード「外。なんだ、用があるのか?」
デーモンコマンド「ふふ、面白い物が流れ込んできたのでな。報告しなくてはならぬと思ってな・・・」
リザードロード「報告?」
懐から新聞のようなものを取り出し、リザードロードくんに見せるデーモンコマンドくん。
新聞を見たリザードロードくんは、くくっ、と小さく笑いました。
リザードロード「なるほど、死人か。」
デーモンコマンド「そう。死人だ。あははは・・・」
ラミア「ななな、なんです?話に参加させてくださいよ将魔のお二方・・・」
おずおずと二人に近寄りながら、新聞を覗き込むラミアちゃん。
モーロックくんも便乗して新聞を覗き込みます。
二人とも大した反応をせずに首を傾げました。
ラミア「誰です、この陰険顔・・・?」
デーモンコマンドくんとリザードロードくんは、交代交代に言いました。

リザードロード「その昔、俺たちのために色々はたいてくれた奴さ。」
デーモンコマンド「人間の癖に我らの仲間に入りたいと言う奇異な奴だった・・・」
リザードロード「実力もあった。度胸も、邪心も、十分にあった。」
デーモンコマンド「人間であるのが不思議なような奴であったな。」
リザードロード「名前もまた人間らしくないんだなこれが・・・」
デーモンコマンド「そう。奴の名は・・・」



ミルザくん「ふぁぁ〜〜〜うあうあうあうあうはぁ〜〜〜〜〜〜ぅん・・・・・・・」
超がつくほどの大あくびをしながら、ミルザくんは目覚めました。
いつものように寝ぼけまなこをこすり、
いつものように寝グセがピンピンしている髪の毛を掻きむしり、
いつものようにパジャマから学生服へ着替え、
いつものように学園新聞を取ってぱらぱら読みを・・・

ミルザくん「あああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!????!!!?????」

騎士団寮中に、ミルザくんの叫び声が響き渡りました。
それほどミルザくんにとってショックのでかい記事が新聞には載っていたのです。
オイゲンくん「おい、馬鹿ミルザ!朝からうるさいぞ!!ごきぶりでも・・・」
ミルザくん「ちょっとちょっとオイゲン!見てこれ見て見て!!」
興奮しながらオイゲンくんに新聞紙を押し付けるミルザくん。
オイゲンくん「な、なんだよ馬鹿!なにが・・・って、ええ!?」
新聞紙を見た瞬間、オイゲンくんの顔色がさぁっと変わりました。
新聞を神妙な目つきで見つめるオイゲンくん。
オイゲンくん「はんっ・・・まさかあいつ、こんな事までしちゃうとはな・・・」
新聞紙をミルザくんに手渡しざまにそう言うオイゲンくん。
ミルザくん「うん・・・僕、信じられないよ・・・まさかあの病気のせいで・・・?」
困惑した顔つきと声のミルザくん。

新聞紙には、『フロンティア、闇夜の殺人事件!!』と書かれています。

オイゲンくん「まさかこんな平和な学園で『殺人』なんかが起きようなんてな・・・しかも犯人はあいつ・・・」
ふぅとため息をつきながら部屋の中をうろうろするオイゲンくん。
ミルザくんは、新聞をひたすら凝視しています。

新聞紙には、彼らのよく知っているようで知らない『顔』が載っています。

ミルザくん「ねぇ、フロンティアに行ってみようよ。何か手がかりがつかめるかもしれない・・・」
ミルザくんのその提案に、オイゲンくんは無言で頷きました。
オイゲンくん「・・・じゃあ、部屋で着替えてくるから・・・ここで待っててな。」
そう言ってミルザくんの部屋を出ていくオイゲンくん。
ミルザくんは、オイゲンくんがいなくなってからも新聞を、その中の写真を、ずっと凝視していました。
そして、独り呟きました。

ミルザくん「なんで君がこんな事を・・・?」



ミルザくん「アルドラ・・・」
ワイルちゃん「ダーク・・・?」
デスちゃん「ダーク・・・!」
リザードロード、デーモンコマンド「ダーク!!」



それは二日前に遡る―――

アルドラ「はぁ。今日もまた激安の食事に激安の宿か・・・」
南エスタミル寮を一人歩くアルドラちゃん。
通る人通る人みなアルドラちゃんを避けていきます。

思えば、騎士団寮から放寮されたあの日から、毎日空しい日々を過ごしている。
通る人皆から避けられ、かつての女友達からも避けられ。
寝る時は常にミルザくんの事を考え、起きてからもミルザくんや楽しかったあの頃を考えて。
毎日毎晩切なさと空しさに胸を締め付けられ。
涙を流して。嗚咽を漏らして。
何一つ満たされない日々。

こんな姿になる前は、どうだったろう?
通り過ぎる男ほぼは必ず自分に目を取られていた。
女友達も沢山いて、毎日のように一緒に遊んでいた。
ウィザードとしての才能も、他の人達と比べ飛びぬけていた。担当の教師を唸らせたほどだ。
あの頃は、すべてが上手くいっていた。全てが円満だった。
ミルザ・・・いつも自分の近くにいた・・・いつも見ていられた・・・

ガチャン

アルドラちゃんは、南エスタミル寮の自室に戻りました。
また日も暮れていません。しかし、アルドラちゃんはすぐに布団にもぐりこみ、目を閉じました。
瞼の裏に、全てが上手くいっていたあの頃の風景が浮かんできます。
もうあの頃に戻れないとは分かりつつも、いや、分かるからこそ思い出すのです。
騎士団寮のいつもの風景。既にいつもではなくなった風景。
友達。教師。喧騒。授業。
ミルザ・・・
アルドラちゃんは、思い出の中を彷徨ううちに眠りに落ちてしまいました。



「お前は・・・誰だ?」
こんな声は聞いたことがない。
いや、私の声だ。
だけど、私の声じゃない。
じゃあ、誰の声だ?
「あんたこそ誰だ。」
言い返す。
そうだ。これが私の声だ!
「まぁ、正直そんな事はどうでもいいんだがな。まずは礼を言っておこう。ありがとう。」
「ありがとう?だからあなたは誰・・・」
「まぁ、いいじゃないか、そんな事はどうでも。いや、待てよ。
そうだな・・・俺は、お前だ。」
「はぁ?」
「お前も俺。俺もお前、なんてな。ふはは。」
聞いたことない声の主。
妙に低い声だ。男?残念。俺は女だ。ならこいつは俺じゃない。
「冥府の風景はもう見飽きた。そろそろ外を見たいと思っていたところなんだ。
冥部のバカがおずおず門を開いてくれたのでな。おかげで外に出る事が出来た。」
冥府?
それ・・・死後の世界じゃないか。
「何を言ってるんだあんた?」
「俺にも主がいる。俺はそいつの為に働かねばならん。
悪いが、お前の体を貸してもらえないか?」
何を言っているのかよく理解できない。
「何を言ってるんだあんた!体だの、貸してだの・・・ふざけるのも大概に」
「しばらく見せてもらったがな、お前生きている価値はあるのか?」

え?

「毎日お前何をしている?やる事はあるのか?授業には出ているのか?誰かと話しているのか?
身だしなみは整えているのか?遊んでいるのか?風呂には入ってるのか?」
「黙れ・・・!」
「人生に何のビジョンも持たぬクズめ。生きる理由も意味も楽しみもないのに無駄に生きながらえてどうする?
何と見苦しい事か。ああ、腹立たしき愚かの極みよ。」

「全部、お前のせいじゃないかっ!!!!!!!」

そうだ。こいつは俺の体を乗っ取ったもう一人の俺。
俺の人生を急変させた、もう一人の俺。
そうだ。こいつが・・・こいつが・・・
「お前のせいで俺は・・・全てを失ったんだ・・・友達も・・・居場所も・・・人を愛する権利も・・・
何が『愚かの極み』・・・っ!このやろう!!」
俺は力いっぱい叫んだ。
「おっと、俺に恨み言を言うのはお門違いだ。どこかのバカな冥部の番人に言うのならともかくな・・・
だが、俺はお前から離れる気はない。なぜか分かるだろう?お前を・・・」

「死ねっ!!」



アルドラ「わぁっ!」

ガシャン!!

アルドラちゃんは、咄嗟にベッドから飛びのきました。
その次の瞬間、ベッドは破壊されていました。
困惑した目つきで、ベッドを破壊したその人物を見つめます。

・・・仮面?仮面をかぶっている。
右手に小さめの剣を持っている。あれでベッドを壊したのだろうか。なぜ?
・・・いや、ベッドを壊しにきたのではない。俺を、俺を殺そうとしたんだ!!

男「死ね!」
再び仮面の男はアルドラちゃんに向かって剣を振り下ろしました!
アルドラ「きゃっ!」
ごろごろ転がり避けるアルドラちゃん。
アルドラちゃんが避けたと認識した男は、またもやアルドラちゃんに向けて剣を振り下ろします。
アルドラ「なんで襲ってくるのか知らないけど・・・こんな所で殺られてたまるかっ!!」
アルドラちゃんは、男に向かって手を突き出しました。
手から紫色の電流が放出され、男の体に巻きつきました。
男「ぐぎゃっ、ぎゃあ・・・」
バチバチと音を立て、数秒後、男は床に倒れました。
はぁ、はぁ、と息切れしながら倒れた男を見るアルドラちゃん。
アルドラちゃんは、荷物を手に取ると、すぐに宿を出て、あてもなく走り出しました。

アルドラ「なんでいきなり殺されそうにならなきゃいけないんだ・・・?
      俺が何をしたって言うんだ!!」



気がつけば既に夜。外には誰一人として通行人がいません。
先程の騒ぎのせいで、異様に静かに感じます。
アルドラちゃんは、あまりの静かさに、安心して走るのを止めました。
気がつけばそこは、クジャラートから遠くはなれ、既にフロンティアのニューロードの一角に差し掛かっていました。
アルドラ(結構走ったな・・・)
座り込むアルドラちゃん。
足が棒のように動きません。息切れもとても激しい。
しかし、座り込んでいる暇はありませんでした。

「見つけたぞ。奴だ!」
「今度こそ殺すんだ!これ以上俺らの自由を奪われるわけには行かない!!」

さっきの仲間の奴らだろうか。
みな仮面をかぶり、手には武器を持っている。
・・・10人くらいいる。みな、一斉に俺に向かってくる。
みな、武器を持って・・・
俺を殺そうとして・・・!!
アルドラ(駄目だ、足が疲れて・・・動かない・・・!)
足がまるで棒のようになって動かない。
・・・なんで、なんで殺されなければいけないんだ。
俺が何をしたって言うんだ。
何で殺されなければいけないんだ。
死にたくない、死にたくない、死にたく・・・

何で?
誰からも避けられ、顔も醜くなり、碌な生活も出来ず、ミルザにも会えず、
死にたくない?

な ん で ?

死んでも良いんじゃないのか?
むしろ死んだほうが良いんじゃないのか?

10人ほどの男が武器を片手に向かってきます。

ああ、もう自由にするがいいさ。
お前らが俺に何の恨みを持ってるか知らないけど・・・
存分に恨みを晴らすが良いさ。
ああ、そうだ。死んでもいい。
これ以上空しさに・・・切なさに耐えるのは・・・いい加減無理だ。
ああ、そうだ。死んでもいい。いや、

死 な せ て く れ 。


ぷつん


次の瞬間、10人の中の一人は、全身黒コゲで床に倒れていた。
もうぴくりとも動かない。・・・確実に死んでいる。
仮面をかぶった男達は、たじろぎ、動きが止まった。
「く・・・何て事を・・・」
「貴様ぁーーー!!」
仮面の男の内二人が逆上し、剣を構え突撃する。

「ヘルファイア。」

突撃してきた二人の仮面の男は、一瞬にして燃え尽きた。
「ひゃ、ひゃああ!!」
「ひぃぃぃ・・・・・・」
一斉に逃げ出す仮面の男達。
仮面の男を殺した『男』は、呟いた。

「あーあー・・・わめきやがって雑魚どもが・・・
せっかく久々に娑婆の空気を吸えたって言うのに・・・
救いようのない連中だ。」

「ぎゃあああ!!」
「あぎゃあああ!!」
仮面の男が、一人、また一人と燃え、倒れていく。
「あ、ああ・・・あああ・・・」
仮面の男はほぼ倒れ、その場にまだ立っている仮面の男は、一人だけになった。



仲間を殺したその男を、腰を抜かしながらも、激しくにらみつける仮面の男に、『男』は近づいていった。
男「お前らアサシンクラブの連中だろう?いまだにサルーインの下僕だかの下で働いているのか?」
落ち着き払った調子でそう言う男。
仮面の男「そ、そうだ!アサシンクラブはサルーイン様の為のクラブ。
      昔みたいに、お前に支配されるわけにはいかないんだ!」
男「支配?何の話だ?」
仮面の男「とぼけるな!我らアサシンクラブを暗殺の道具に使いやがって・・・」
男「それで何が悪い。アサシンクラブをあるべき姿に直してやっただけだ。」
仮面の男「そもそも何故貴様生きているんだ!事故で死んだんじゃないのか!?」
男「地獄の底より蘇った・・・って理由でいいかな?」
仮面の男が、歯を食いしばる。
仮面の男「・・・またアサシンクラブを支配するのか・・・?」
男「当たり前だ。」
仮面の男「罪もない生徒達を恐怖におびえさせ、殺そうというのか!」
男「当たり前だ。」
仮面の男「・・・ッ!貴様の目的は何だ・・・何故このような事をするつもりがある!」
男「・・・主君の為だ。」
仮面の男「主君・・・何が主君・・・!学園全体を支配しようとでも言うのかっ、ダーク!!」
男は・・・ダークは、くくっと笑うと仮面の男に向かって手を突き出した。
仮面の男「なっ・・・」

ボォン・・・

ダーク「その通りだ。」

ダークは、ぱんぱんと服の汚れを落とすと、一人くくく、と笑い出し、呟いた。
ダーク「まさかこのような時が来るとはな。この女に感謝しておかなければな・・・
    まずは、アサシンクラブの本部に殴りこみに行くとするか。
    その後、アサシンクラブの者どもを洗脳し・・・マスターに連絡を・・・」

カシャッ!

突然の光。
ダークは驚き、辺りをきょろきょろ見回した。
カシャッ!
もう一度光。
・・・草陰から、何人かの生徒がダークの写真を撮っていた。
気がつけば、3、4人、どんどん生徒が増えてくる。騒ぎを聞きつけたのだろうか。
ダーク「くそっ、俗民どもめ。すぐにこの場を離れなければな・・・」
ダークは、恐ろしいスピードで一瞬にして姿を消してしまった。



サルーインちゃん「ん〜・・・この香り・・・この味・・・どれも最高であるぞ・・・」
ストライフちゃん「それ・・・実はそこら辺の自動販売機で買ってきたやつなんですけど・・・」
サルーインちゃん(ブッ)「な、なんだとぉ〜〜!?」
ストライフちゃん「いや〜、サルーインちゃんの味覚を試したまでで・・・」
ヘイトちゃん「サルぅーインちゅわぁんったらもう★★★
        味分からないくせに高級なの飲んでるのねへぇぇ〜〜ン♪★◎!@!!♪」
サルーインちゃん「黙れっ!うっわ、マズっ!この紅茶、マズっ!」
ヘイトちゃん「もう遅いしぃぃ〜〜■▲○&%あひゃひゃひゃひゃひゃwwwwwww
        ださださるーいんちゅわぁぁ〜〜〜ン(はぁと)」
ストライフちゃん「おいおい、言い過ぎじゃないのか・・・?」
サルーインちゃん「・・・・・・(ぴきぴきぴき)滅びる覚悟はできたか・・・?」
ヘイトちゃん「う・・・(や、やり過ぎちゃったにおい・・・?)」
ストライフちゃん「もうし〜らないっと・・・」
シェラハちゃん「これは悲しい話リストいきね・・・うふふふふふふふふふふふふ」
ヘイトちゃん「ひ、ひへぇぇぇ〜〜〜∇Å★〜〜〜〜w$%○!!∇G★☆」
サルーインちゃん「ぐおおおああああああああ(以下略)」

サルーインちゃん「・・・で、ワイルとデス姉はどこに?」
ストライフちゃん「さぁ・・・なんか冥部で二人で話してるみたいだぞ。」
シェラハちゃん「冥府というと悲しい話を・・・」
サルーインちゃん「ふ〜ん、何を話してるの?」
ストライフちゃん「さぁ・・・そこまでは・・・」
シェラハちゃん「悲しい話だったりして。」
サルーインちゃん「ふ〜ん。あの二人がねぇ。冥部で何はなすのかねぇ・・・
           ああ、そういえば今日の新聞見た!?」
ストライフちゃん「・・・見たけど。」
シェラハちゃん「悲しいわよね。殺人なんて久しぶりに聞いたわ・・・」
サルーインちゃん「あたしあの写真の奴に見覚えあるのよね〜。どっかで見たことあるような気がする・・・
           そんな気しない?」
ヘイトちゃん「はぁぁ〜〜いい★V&△!!ヘェイト話しかけたことありむぁ〜〜・・・」
サルーインちゃん「黙ってろ下郎!!」
ヘイトちゃん「はぅぅっ・・・!」
ストライフちゃん「・・・・・・汗」
ヘイトちゃん(・・・あたしって不憫・・・)
サルーインちゃん「で、話を続けるが・・・あいつに見覚えないか?」
シェラハちゃん「ある訳ないでしょ。なんで姉さんが見覚えあるからって私達が見覚えなきゃいけないの・・・」
ストライフちゃん「私・・・ある。見覚えどころの話じゃないが・・・」
サルーインちゃん・シェラハちゃん「!」

ストライフちゃん「奴の名前はダーク。アサシンクラブを乗っ取った男だ。」



デスちゃん「人間とは思えないほどの邪心・・・人間とは思えないほどの魔力・・・
       アサシンクラブの誰もが奴には逆らえず、嫌々従っていたのだ。
       奴はアサシンクラブを使って殺した人間たちをある所に送っていたらしい。」
ワイルちゃん「ある所?」
ここは、デスちゃんの管理する冥部の最深部。
灰色の空の下で、ワイルちゃんとデスちゃんが話し合っています。
デスちゃん「その『ある所』というのは、私も詳しくは知らない・・・
       とにかく、この学園の裏にはとてつもない野望が潜んでいると見て間違いないだろう。」
神妙な顔つきでそう言うデスちゃん。
ワイルちゃんは、混乱したような顔つきのまま、言いました。
ワイルちゃん「でも、彼は事故で死んだんですよね?何で生きているんですか?」
デスちゃん「・・・確かに、やつはシェラハが入学するその1年前に、崖から転落して死んだ。
       しかし、ある拍子に生き返らせてしまったんだ・・・」
ワイルちゃん「生き返らせた?」
ワイルちゃんが首を傾げます。
デスちゃんは下を向いたまま言いました。
デスちゃん「数ヶ月前の事だ。お前、一度この冥部に来たよな?」
ワイルちゃん「ああ、ハイ。確かに一度・・・」
ワイルちゃんは、数ヶ月前冥部の門をくぐりデスちゃんと話した事を思い出しました。
デスちゃんが話しを続けます。
デスちゃん「本当に愚かな事をしてしまったと、今は反省している。
       アルドラという女・・・あの女を利用してミルザの足を引っ張らせようという作戦だったな・・・
       結局作戦は失敗。逆手に取ろうとするつもりが、あの女、予想以上に利口で結局使い物にならなかった。」
淡々と語るデスちゃん。
ワイルちゃん「それが・・・どうかしたんですか?」
デスちゃん「私はあの女子生徒を呪いの姿、精一杯醜い姿にしてやろう、と言ったのは覚えているな?」
ワイルちゃん「はぁ。覚えていますよ。・・・そういえば、まだあの女の子の醜くなった姿、
        一度も拝んでないなー。見に行こうかなー」

デスちゃん「私は、あの女を『ダーク』の姿にしてしまったのだ。」

ワイルちゃん「えっ!」
ワイルちゃんが短く叫びます。
デスちゃん「しかも・・・愚かな事に・・・そのダークの魂までも、あの女に押し付けてしまった・・・!」
ワイルちゃん「えーーーーーーーっ!?じゃあ全部あんたのせいじゃないですかっ!」
口を限界まで開けて、大声で叫ぶワイルちゃん。
デスちゃんは、顔をゆがめました。
デスちゃん「そうだ。全て私の責任なのだ・・・ちょっとした手違いだった・・・
       おかげで、ダークが再び『蘇って』しまった・・・
       ああ、けがれた魂がぁぁぁぁぁぁ」
デスちゃんが頭を抱えます。
ワイルちゃん「まさかミルザくんの足を引っ張るために用意した兵器が、
        私達の敵になって帰ってくるとは・・・
        ・・・・・・どうします、デスちゃん?戦いますか?」
ワイルちゃんがそう言うと、デスちゃんは立ち上がり、壁にかけてある鎌を掴みました。
禍々しい模様をした鎌です。
デスちゃん「勿論戦う。私が蒔いた種だ・・・私が狩らなければならん!」
ワイルちゃんは、ふふっ、と一度笑うと、立ち上がり、デスちゃんの横に並びました。
ワイルちゃん「私もご一緒させていただきますよ。」



『あー・・・聞こえますかマスター!ついにこの声を貴方に聞かせる事が出来ました・・・
長い間音信不通ですいません!!』
???「ふん。死んだと聞いていたが・・・今更蘇って何のつもりだ?」
荒れ狂う海を見下ろしながら、背中に謎のビンを背負った男は独り言のように呟きます。
『もちろん、汚名を挽回しようかと。つまらない事故で死んでしまって・・・不覚・・・
ですが、もうあんなヘマはいたしません。必ず貴方の役に立ちます!』
???「なるほど。ならば、30の人間の死体をわしの元へ送ってくるのだ。
     そうすれば、再びお前をわしの部下として迎え入れよう・・・
     それまでは、わしは一切お前に協力もせんし、関与もせん。」
『さ、30人・・・!?それだけでいいのですか・・・?あ、ありがたき幸せ!
では、頑張らせていただきます!』

リザードロード「30人なんて、甘いですねマスター。」
???「甘い?確かに奴にとっては甘いかも知れぬな。ぬはは・・・
     3日も経たん内に、ここに30の死体が集まる事だろう。
     これまた便利な男が蘇ってくれた・・・ぬはははは・・・」
ラミア「30?30って甘いの?どこがやねん!」
モーロック(しーっ!あんまり大声出すな腐女子!)

???「さぁ、わしは貴様の働きをここより見ているぞ!」


MENU / TOP





SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送