第12話「ダーク2・・・休戦協定」

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ミリアム「みてみてグレイ!綺麗な羽よ!」
マルディアス学園の秘境とも呼ばれる、リガウ寮。
ある冒険者の一団に、綺麗な、七色の羽が舞い降りてきました。
三角帽子をかぶった女の子が、七色の羽を手に取り、はしゃいでいます。
ガラハド「おお、何と綺麗な羽だ・・・これは高く売れるのではないか?」
頭頂がさびしい大柄の男も、にこにこ笑いながら言います。
そんな中、冒険者の一団のリーダーと取れる男だけは、一人空を見上げていました。
ミリアム「何やってんのグレイ?ホームシック?・・・え、なにアレ!」
ガラハド「空に何が・・・あっ!」
二人は空を見上げ、言葉を失いました。
この世のものとは思えないほどの、雄大な鳥の影が、
雲を掻き分け、空を泳いでいました。
虹色に光り輝く羽を大きく揺らしながら・・・



サルーインちゃん「いや〜、快適な空のたびだったなぁ。」
ヘイトちゃん「んもぅ、少女心が疼いたわぁん★○%♪!!氏ヘY!!!!」
アディリスちゃん「いいな〜、タイニィちゃん、その羽ちょうだぁ〜い。あっ、その靴もいいな〜」
シェラハちゃん「いいな〜!というと、可愛い女の子に自分の宝物を貸してそのまま帰ってこなかった話・・・」
ワイルちゃん「ちょっとあんたら、何うかれてるんですか!
        事態は結構深刻なんですよ!」
空の旅にうかれていた四人に、ワイルちゃんが喝を飛ばしました。
はしゃいでいた四人の動きが止まりました。
タイラントくん「まさかアクアマリンとはな。どこからどうやって取ってきたのかは知らぬが、
         早急にあの女を仕留めねば・・・」
ミルザくん(・・・・・・)
デスちゃん「・・・!タイラント、後ろだ!」
デスちゃんの声に、タイラントくんが、後ろにがばっと振り向きます。
禍々しいモンスターが、タイラントちゃんに襲い掛かってきていました。
『死ねや!フレイムタイラント!』
タイラントくん「くそっ、目を覚ませバカ者!」
タイラントくんは、懐から大斧を取り出しモンスターの頭を殴りました!
『うげっ!・・・・・・あれ?フレイムタイラントさま、帰ってらしたのですか?』
斧で叩かれたモンスターはどうやら正気を取り戻したらしく、先程の狂気を微塵も感じさせぬ声でそういいました。
オイゲンくん「なんだ、敵じゃないのか。」
水龍「便利な斧だ・・・」
咄嗟に武器を構えていた二人が、武器をゆっくり下ろしました。
『あ!そういえば大変なんですよタイラントさま!変な人物が火山の中心部からみんなを・・・』
タイラントくん「分かっておる。とにかく、ここは色々な意味で危険だ・・・
        草原に避難していろ。」
『は、はい!』
モンスターは、全速力で火山から出て行きました。

タイラントくんは、そのモンスターが火山を出て行くのを見届けると、その場にいる全員に対して言いました。
タイラントくん「おそらく、火山の中のモンスターはごっそり奴に操られている事だろう。
        お前らは、連中を押しとどめておいてくれ。
        中心部に行く近道がある。私はそこから奴に会いに行き、倒す・・・」
サルーインちゃん「ちょっと待ってよ。あたしゃアイツに致命傷負わされてんのよ?
           あたしがいくわ。あんたは大人しく部下相手に斧振り回してなさい。」
ストライフちゃん「サルーインちゃん、あんたは怪我人だろう?無理しないでくれ・・・
         私とヘイトがいくぞ。」
ヘイトちゃん「あひゃーー!!無理無理!あんな奴無理っちょーー★○▲Λ!!」
タイニィ「全員で行けばいいんじゃないのか?」
水龍「奴に操られたタイラントの部下が何をするか分からんじゃないか。」
シェラハちゃん「あたしは行かないわよ・・・」
エロール「私も行きませんよ。」
アディリス「あ、エロちゃんそのギター新品?くれない?」
デスちゃん「元はと言えばこのような事態になってしまったのも私の責任だ。私が奴を刈る!これだけは譲れんぞ!」
オイゲンくん「待て。俺はあの女の弱点を知っているぞ。俺が行くべきだ!」

ワイルちゃん「待ってくださいみなさんっっ!!!」

全く話がまとまらない11人に、ワイルちゃんは言いました。
全員がワイルちゃんの方を向きます。
ワイルちゃん「あなた達じゃなくて・・・真っ先にあの人に会いに行くべきは、ミルザさんじゃないでしょうか?」
ミルザ「・・・えっ?」
しばらく下を向いていたミルザくんが、顔を上げました。
ワイルちゃん「倒すだの刈るだの、そんな物騒な話はいけませんよ。
確かにあの人はこんな事をしてしまったわけだけれども・・・
        元々はあの人は普通の少女だった。そんな凶行手段を取らなくても、
        彼女の暴走は止められる筈です!・・・ミルザさんなら!」
ワイルちゃんは、そこまで言うとミルザくんの方を向きました。
ワイルちゃんに続き、その場にいる全員がミルザくんの方を向きます。
ワイルちゃん「ミルザさん・・・あの女の子、『アルドラ』ちゃんの暴走を止めてください!
        それは・・・あなたにしかできない事です!」
ワイルちゃんが、期待の目でミルザくんを見つめました。
ミルザくん「・・・なんでか分かんないけど・・・・・・・でも、その・・・」
ミルザくんは、ワイルちゃんから目をそらすと、その横のサルーインちゃんをちらりと見ました。
サルーインちゃん・・・わき腹に、痛々しい傷跡が残っています。
ミルザくんが何を考えているかを察したワイルちゃんは、言いました。
ワイルちゃん「・・・大丈夫。心配しないで下さい!『この人』は、私達が絶対守りますから!
       ミルザさんは何も心配しないで・・・アルドラちゃんの元へ!」
ワイルちゃんの目が、みんなの目が、まっすぐミルザくんを見つめます。
デスちゃんも、タイラントくんも、サルーインちゃんも。
ミルザくんは、静かにこくんと頷き、立ち上がりました。
ミルザくん「・・・僕、アルドラと話してくるよ。彼女と話して・・・止めさせてくる。みんな、頑張ってくれ!」
その場にいるほとんど全員は、ミルザくんのその声に、頼もしさを覚えました。
タイラントくん「・・・近道はそちらだ。一息ついたら、私達もそちらへ向かおう。くれぐれも気をつけるんだぞ。」
エロールちゃん「いくら相手が旧友とはいえ、ダークがまた出てこないとは限りません。くれぐれもお気をつけて。」
ミルザくん「・・・はい!」
オイゲンくん「・・・ヘマ、すんなよ。」
ワイルちゃん「頑張ってくださいねっ!」
ミルザ「・・・うん!」
ミルザくんは、意志を固く結び、タイラントくんの指し示すほうへと、歩いてゆきました。

(ごめん・・・待っていてよ、アルドラ!)



アルドラ「・・・来たか。」
トマエ火山中心部。
異様に広いその部屋の中心に、アルドラは座っていました。
ミルザくんは、一歩一歩、アルドラに近づいていきました。
熱気で歪んでいたアルドラの姿が、どんどんハッキリしていきます。
アルドラ「お前一人か?」
ミルザくん「アルドラ・・・君は・・・」
呟くようにそう言うミルザくん。
そのミルザくんの一言に、アルドラちゃん?は顔をゆがめ、笑い出しました。
アルドラ「残念。今の私はダークだ・・・『アルドラ』でもあるがな・・・」
アルドラは、『ダーク』は、言いました。
ミルザくんは、真っ直ぐダークの目を見ます。
ダーク「よくそのツラ下げてここに来れたものだ。
    もう会わぬ方が貴様の身のためだというのに。」
ミルザくん「お前は黙っててくれ。僕は『アルドラ』と話がしたいんだ。アルドラにかわれ!」
一片も怯まずにそう言うミルザくん。
ダークは、一度にやりと笑うと、言いました。
ダーク「悪いが、その必要はない。なぜなら今の俺はダークでもありアルドラでもあるからだ。ついさっきからな。
    アルドラとなにか話したいなら、この俺に話しかけろ。代わりに答えてやろう。」
笑いながらそう言うダーク。
ミルザくんは、一度深呼吸すると言いました。
ミルザくん「なぜこんな事をするんだアルドラ?このダークなんかに手を貸すような真似をして・・・
      僕の知っているアルドラはそんな事はしない・・・」
ダーク「ふはははは・・・まったく、何を話すかと思えば愚かな。
    貴様、もしかして気づいていないのか?」
ミルザくん「何の話だ!!」
ダーク「気づいていないのならば、教えてやろう。
    もう一人の俺・・・『アルドラ』は、貴様の事をどう思っていたと思う?」
ミルザくん「は?」
ミルザくんは勢いよくそう言ったのち、呆れながら言いました。
ミルザくん「どうって・・・友達、に決まってるじゃないか。
      ・・・なんだ?もしかして、アルドラは僕の事を嫌って・・・」
ダーク「違う違う・・・違うよミルザ。その逆さぁ。」
ミルザくん「逆?」


ダーク「アルドラはお前が好きだったんだよ!」


ミルザくん「な・・・?」
ミルザくんは、困惑を隠しきれない表情でした。
唐突に出たその言葉。『アルドラが僕を好き?』
ダーク「『嘘だ!』とでも言いたいのか?
     いいか、よく聞け。アルドラは、貴様の事を誰よりも、何よりも思っていた。
     アルドラの思考の中心には、常にお前がいた!2年間ずっとだ!
     寝る時には貴様の事を思い、寝ては貴様の夢を見、起きては貴様の事を考え。
     貴様と会い、そして話すことがアルドラにとっては一番の至福のときだった!」
ミルザくん「ちょ、ちょっと・・・」
ダーク「ええい、黙れ!
    アルドラは貴様のどんなところが好きだったと思う?
    顔もあるがな。何よりその性格が好きだったのだと・・・
    アルドラは元々育ちが悪く、ただの不良娘だったろう。
    誰もアルドラには関わろうとせずに、避けていた。
    だが、唯一貴様だけはアルドラに優しく接した。
    そして貴様は、見事アルドラを更生させた。
    世間のアルドラへのイメージを変えるために、貴様はいろいろな事をしてくれただろう・・・
    その頃からだ。アルドラが貴様を思うようになったのは!
    真っ直ぐな心、正義感、そして優しさ。少し間抜けな所も、甘えん坊な所も、
    アルドラは貴様の全てが好きだった!全てだ!
    アルドラは生涯貴様以外の男を思うことはないだろう。
    それほどにアルドラは貴様にベタ惚れだったんだよ!」
ミルザくん「そんな・・・いきなりそんな事言われてもこま・・・」
ダーク「それが貴様は他の子が好きだったという事を、ある日知ってしまった。
    貴様が好きな女・・・それがサルーインちゃんだ!」
ミルザくん「!!」
ダーク「アルドラは嫉妬に狂った。性格が悪く、ただ美しいだけの存在。サルーイン!
    そんな女に自分の長年愛し続けた男は惚れているのだ!
    なぜサルーインなんかにミルザを奪われなければならない?
    自分ならミルザをいくらでも幸せにして挙げられる。
    自分の全てをミルザに捧げてもいい、そう思っているのに、
    なぜミルザは、貴様はサルーインと結ばれなければならない?
    なぜ?なぜ!?なぜ!?なぜ!?なぜ!?なぜ!!??なぜ!!!!????」
ミルザくん「アル・・・ドラ・・・?」
ダークの目には、いつのまにか涙が伝っていました。
心なしか声も震えています。
ダーク「さっきのことだ!貴様は俺を殺そうとした!!
    完全に俺を殺そうと、俺をただの好きな人間の敵としか見ていなくて!
    貴様の目にはサルーインしか映っていなくて!俺は微塵も写っていなくて!!
    サルーインを傷つけたのが俺ならば、俺の命を奪う事も容易くて!!!
    俺の存在は貴様の中では何でもないもので!!!!
    俺の命はサルーインへの思いの足元にも及ばなくて!!!!!
    俺の存在は!!貴様にとっては全く必要ない物で!!!!
    あああああああ亜jht時jファfk;だslfじゃkr;fjらああああああ・・・
    ・・・あ、あ、・・・あ   あ」
ダーク?は、叫ぶのをやめ涙をふき取ると、ゆっくりと立ち上がりました。
こつこつと数歩歩くと、先程とは打って変わって冷静な調子で言いました。

ダーク「・・・さて、話を続けようか。」

ダーク「まったく・・・アルドラもバカだ。貴様にあのような異常な愛情を抱いていなければ、
    こんなに悲しむ事は無かった・・・
    ミルザも・・・サルーインに異常なほどの愛情を抱いていなければ、このような事も起こり得なかっただろうに。」
ミルザくん「・・・・・・」
ミルザくんは、何も言えずに黙っていました。
ダーク「アルドラは哀れだ。そしてミルザは愚かだ。
    いや・・・ミルザも。アルドラもどちらも愚かだ・・・
    まったくもって腹立たしい・・・腹立たしき愚かの極み・・・」
イライラしたようにそう言うダーク。
ミルザくんの心は、既にずたぼろでした。
気がつけば、大粒の涙が目からこぼれてきています。
ダーク「まぁ、そのおかげでアルドラは俺の一部となったんだがな。
    貴様への別れもたった今済ました。
    アルドラは、これからは俺の一部として、俺に、そしてマスターのために尽くしてくれる事だろう・・・
    よくやった。すべては貴様のおかげだ・・・」
ダークが、懐から短剣を取り出し、一歩一歩こちらに近づいてくる。
ダーク「そして、学園一の騎士と呼ばれる貴様は、
    怒りも・・・闘争心も・・・全て失ったままここに突っ立ってくれている。
    これほど始末が簡単な標的は久しぶりだぞ・・・ふはは・・・」
高笑いするダーク。
ミルザくんは、これから何が起こるかほぼわかっていながらも、不思議と逃げる気が起きませんでした。
ダーク「普通ならばバラして埋めるか、『肉の壁』となってもらうが、貴様の場合は特別だ。
    体と顔は綺麗なまま殺し、冷凍保存してやろう。
    アルドラは、毎晩貴様を見て、話し、弄ぶのだ。
    アルドラは、貴様を自由にできる事で、大いに喜ぶであろう。
    そうだな。貴様の愛しきサルーインも冷凍保存してやろう。
    アルドラは喜んでサルーインの生皮をはぎ、八つ裂きにするだろう。
    そうして、満たされたアルドラは俺の従順なる犬となる・・・」
ミルザくん「サルー・・・イン・・・ちゃん・・・」
ダーク「さて、話しすぎたな・・・
    大丈夫だミルザ、心配するな・・・
    苦しみはない。痛みを感じる前にもう貴様は死体となっている。
    貴様が苦しまずに死ねるのも、アルドラの最後の慈悲と思え。
    さぁ・・・死ね!!」
ダークの短剣が、まっすぐミルザくんの胸に向かってきます。
ミルザくんは逃げる気も起きませんでした。
運命に身を任せることにしたのです。



―― 一瞬の事でした。
???「バカめダーク。貴様もここまでだ!」
ダーク「・・・邪魔を!!」



ダークの短剣がミルザくんの心臓に刺さるその瞬間、炎の蛇がダークに一直線に突っ込んできました。
ダークは間一髪で避け、怒りの目でその『蛇』をにらみつけています。
『ミルザよ、ご苦労だった。多少火山の中も落ち着いてきたのでな・・・加勢に来たぞ!』
ミルザくん「タ、タイラントさん・・・」
炎の蛇・・・タイラントくんは、ミルザくんに言いました。
タイラントくん『奴はこの私が倒そう。ミルザよ。お前はゆっくり見ているがいい。』
ミルザくん「だ、だけど・・・その・・・」
タイラントくん『大丈夫だミルザ、奴を殺しはしない!デスちゃんが言うには、魂を吸い取る術、『吸魂術』で、
         ダークの魂だけをひっぺがす事が可能だと言うのだ。
        気絶させるだけだ。少女の方には影響はない!安心してみていろ!』
ミルザくん「・・・!」

タイラントくんは、ダークの方に向き直り、再び突進しました。
ダーク「破砕流か・・・だが要はただ突っ込んでくるだけだろう!」
ダークくんは恐ろしい速さで突進してくるタイラントをひらりとかわすと、タイラントに向かって両手を突き出しました。
タイラントくん『しまった・・・くそっ!』
再びダークの方に向き直るタイラント。
ダーク「馬鹿め。だが遅い!『水のアクアマリン』の力を味わってみるか!?」
ばしゃあああん!!
突然タイラントの足元から大きなクジラが現れ、タイラントを上空に吹き飛ばしました。
タイラント『ぐっ!?これがウォーターガンだと・・・!』
ダーク「面食らったか?フレイムタイラント!これが糸石の力だ!」
上空に跳ね上がったフレイムタイラントを追うようにして自らも飛ぶダーク。
タイラントの顔の辺りまでダークが飛んできました。
タイラントくん『ふん。わざわざ飛び上がってきてご苦労な事よ。燃えろ!』
タイラントの口から、二つの真っ赤な火球が吐き出されます。
ダークは一度にやりと笑うと、マントを翻しました。
火球がマントに当たると、ジュッ・・・と音を立て、『火球』が消滅してしまいました。
タイラントくん『た、耐熱マント・・・?』
ダークくんはマントを投げ捨てると、短剣を構えました。
ダーク「耐熱マントなどではない。『水のアクアマリン』の力だ!
    ああ、水のアクアマリンの前では四寮長最強の男もこんなにも無力!さて、死ね!」
ズガガガガガガガガ!!
ダークが、短剣を物凄い速さで何度も何度もタイラントに突き刺します。
青く光った短剣は、『水のアクアマリン』の加護を受けた短剣は、タイラントの炎の壁をも受け付けません。
タイラントくん「ぐ・・・馬鹿な・・・」
タイラントの姿が、燃え盛る竜骨のモンスターから、人間の姿に戻ってしまいました。
ダークと一緒に地面に落ちてゆきます。
ダーク「はっはっは・・・化けの皮がはがれたのか・・・それとも力がなくなったか・・・
    糸石と我が技の前に屈したなフレイムタイラント!」
ダークは上手く着地し、タイラントは力なく地面に打ち付けられました。

「ミルザ、フレイムタイラント!」
「ミルザさん!タイラントくん!」

気がつけば、入り口に二人の女性が立っていました。ワイルちゃんとデスちゃんです。
ミルザくん「二人とも・・・」
ダーク「ちっ、追っ手か・・だが、その場から動けばこいつの命は無いぞ!!」
気がつけば、ダークはいつのまにか短剣からでかい手裏剣のような剣に持ち替え、
倒れているタイラントの首にあてがっていました。

ダーク「その場から動けば、こいつの命は無いと思え!!」

ワイルちゃんも、デスちゃんも、動く事が出来ませんでした。
二人とも、屈辱に顔をゆがめ、ダークをにらみつけています。
ダーク「ふむ、サルーインの犬に、馬鹿な冥部の番人か!
    冥部の番人、デスよ。動かないのか?俺に『吸魂術』とやらを使わないのか?
    まぁ、動いた時点でこのモンスターの首が飛ぶがな!ふははは!!」
狂ったように高笑いするダーク。
デスちゃんは、歯を食いしばるも、やはり動く事が出来ません。
と、次の瞬間デスちゃんは思いついたように位置的にダークの背後にいるミルザくんに向かって、叫びました。
デス「ミルザ!ダークの剣を奪い取るんだ!さぁ!!」
ミルザくん「えっ、」
ミルザくんは反射的に立ち上がりましたが、ダークが素早くミルザくんを睨み付けました。
ダーク「貴様も動けばこいつの命は無いぞ。ははは、それにしても
    わざわざ声に出して叫ぶとはデス!貴様は予想以上のア・・・なにっ!?」
ミルザくんの方を向いたまま言っていたダークの手に、突如風の塊がぶつかりました。
ダークの剣が風圧で遠くへ飛ばされます。
ミルザくん「あ・・・ワイルちゃんすごい!」
ワイルちゃんが、ダークがミルザくんに気を取られている隙にウィンドカッターを唱えていたのです。
ダーク「くそっ、なめるな!ならばこの男の頭を踏み潰してぐしゃぐしゃに・・・」
デスちゃん「開門。」
ダークが足を振り下ろしたその時には既に、タイラントはデスちゃんの作った門に吸い込まれていなくなっていました。
ダーク「くそっ、ちょこまかと・・・」
ダークはミルザくんと、デスちゃんワイルちゃんの方を一瞬見比べた後、デスちゃんの方へ襲い掛かりました。
デスちゃん「やっとこの時が着たかダーク・・・我が鎌の餌食にしてくれよう!」
デスちゃんが鎌を構えます。
ダーク「俺にかなうと思うなよ!」
狂気の形相でデスちゃんに斬りかかるダーク。
ガキィィイン!!
ダークの振り下ろした短剣と、デスちゃんの鎌が、けたたましい音を立ててぶつかりあいます。
デスちゃん「くっ・・・」
ダーク「これが女の力か・・・?だが、甘いわ!貴様ごときの力がこの俺に通ずると思うな!」
ダークが短剣を勢いよく払うと、鎌がデスちゃんの手から離れました。
ワイルちゃん「きゃっ!」
鎌はワイルちゃんの頭をかすめ、飛んでいき、遥か遠くの壁に突き刺さりました。
デスちゃん「馬鹿な・・・くっそー、運動不足がたたったか!」
ダーク「ふははは!!さぁ、これで終わりにしてくれる!」
ダークは、高笑いしながら短剣を振りかぶりました。
デスちゃん「ぐっ・・・ここまでか・・?無念・・・」

ワイルちゃん「ミルザさん!!!!レフトハンドソード、受け取ってください!!!!!!!」

デスちゃん、ダーク「!?」

ワイルちゃんが、どこからか取り出した銀色の剣をミルザくんに向かって投げました!
銀色の光がぐるぐると回りミルザくんに向かっていきます。
ミルザくん(・・・レフトハンドソード・・・僕の剣・・・!)

ぱしん

ミルザくんは、立ち上がり、レフトハンドソードを受け取りました。
どんどん力が戻ってくるような感覚がします。
ミルザくん(アルドラを・・・アルドラを助けるためにも、ダークを倒さなきゃ!)
ミルザくんは、レフトハンドソードを構えながら一直線にダークに向かいました!
ミルザくん「ダーク!!覚悟しろ!!!!!」
ダークは、短剣を振り下ろすのを止めると、物凄い速さで走ってくるミルザの方へ向き直りました。
ダーク「ふっきれたか、ミルザ!アルドラの事で後悔するのはやめたのか!?」
ミルザくん「あの過ちを償うために、お前を倒してアルドラを元の姿に戻してやるんだ!」
ギィィン!
ミルザくんのレフトハンドソードの峰と、ダークの短剣がぶつかり合いました。
ぷるぷると震えたまま、ゆっくりミルザくんの剣がダークの短剣を押し返していきます。
ダーク(くそ、何だコイツは・・・ふざけるな!)
ミルザくん「!?」
ダークは抵抗するのをやめ、一瞬の速さでその場を抜け出しました。
レフトハンドソードが勢いよく床に叩きつけられました。
瞬間ミルザくんに、足元から無数のアリが這い上がってくるような感触が襲い掛かります。
ミルザくん「あぐっ・・・くそぉ・・・」
ミルザくんの背後に回ったダークは、短剣を勢いよく振り下ろしました!
しかし、短剣はミルザくんに刺さることなく、ミルザくんの振り向きざまの一閃で防がれました。
またしても鉄と鉄のぶつかりあうけたたましい音が辺りに響き渡ります。
ダーク「ちょこざいな。いい加減死ねよ!」
何度も何度もミルザくんに短剣を振り下ろすダーク。
しかし、ミルザくんはその全ての攻撃を剣でディフレクトします。
ダークの表情が焦りの色へと染まってきています。

ミルザくん「このっ・・・やろぉぉぉ!!」

ガァァン!

ミルザくんが剣を勢いよく払うと、ダークの短剣は遥か遠くに吹き飛ばされました。
ダークの顔色が初めて恐怖に染まります。
ミルザくんは、剣を振りかぶりました。
ダーク「やめろっ、俺はアルドラだぞ!!アルドラを傷つけるのか!!!うおおおお!!」

ガンッ

ダーク「あ、がっ・・・」
ミルザくんの剣がダークにぶつかり、ダークの時が止まりました。
体中がぷるぷる振るえ、四肢がまともに機能しようとしません。
ミルザくん「峰打ちって奴さ・・・さあ、デスさん・・・『吸魂術』を・・・!」
ミルザくんは、座り込んでしまいました。
デスちゃんが立ち上がり、痺れて動けないダークの元へ歩み寄りました。
デスちゃん「流石だミルザ・・・そして悪かった・・・今より私の罪を償おう!」
デスちゃんが右手を天高く振り上げます。
ダークの顔が、更に恐怖に染まっていきました。
デスちゃん「煉獄にて永遠に繋がれるがいい・・・開門!」
ダークの背後に、黒く禍々しい門が現れます。
ダークの体中から、冷たい汗が吹き出てきました。
デスちゃん「さぁ、いくぞ!」

「アビス!」

突如、目を覆ってしまうような赤い光がダーク、そしてこの空間中を覆いました。
ミルザくん「わっ!」
ワイルちゃん「まぶしっ・・・」
ぎゃあああ・・・と言うような、悲鳴が聞こえてきます。
そして、やがて赤い光はおさまり、元の世界が戻ってきました。
ワイルちゃんが目を開き、ミルザくんもゆっくりと目を開きます。
そしてミルザくんの目に入ったものは・・・

ミルザくん「アルドラ!!」



先程ダークがいた場所には、紛れもない『アルドラ』自身が横たわっていました。
醜くない、首も折れていない、『アルドラ』が!
ミルザくん「アルドラ!大丈夫かいアルドラ!」
ミルザくんは、倒れているアルドラに向かって、膝をついて呼びかけました。
ワイルちゃん「・・・デスお姉さん。私達は出ましょう・・・」
デスちゃん「・・・そうだな。」
ワイルちゃんとデスちゃんは、静かに出て行きました。
部屋には、ミルザくんとアルドラだけが残されています。
ミルザくん「アルドラ!アルドラ!生きているのかアルドラ!?起きてくれよ!」
必死に呼びかけるミルザくん。
何度も何度も、彼女の名前を呼び続けます。
しかし、アルドラは一向に起きる気配がありません。
ミルザくん「・・・アル・・・ドラ・・・・・・」

アルドラが起きない。
ミルザくんの頭の中に、最悪のシナリオが浮かんできます。
吸魂術とかいうのは失敗してしまったのでしょうか。
それで・・・アルドラは・・・
ミルザくん「アル・・・ドラアアアアアア!!」
ミルザくんは、うなだれてしまいました。

・・・・・・

・・・ザ・・・・・・

え?

ミルザくんは、顔を上げました。
そこには、アルドラの顔がありました。
目を開いている。
・・・・・・アルドラは・・・生きていた!

アルドラ「・・・ミルザ。」



ミルザくんは、涙で顔をくしゃくしゃにしながらアルドラの顔を直視しました。
思わずアルドラを抱きしめようとしましたが、その瞬間ミルザくんは冷静になって、笑うのを止めて下を向きました。
アルドラ「どうした?・・・ミルザ。」
ミルザくん「僕・・・君にひどい事をした・・・君の気持ちも知らないで・・・僕は・・・」
うなだれながらそう言うミルザくん。
アルドラは、ふふっと笑うと、言いました。
アルドラ「大丈夫。オレは気にしてないよ!・・・まー、あの時のオレはあ〜んな醜い姿だったわけだし、
     仕方ない仕方ない!」
ミルザくんは、再びアルドラの顔を見ました。
ミルザくん「でも・・・君、あんなに怒ってたじゃないか・・・」
アルドラ「いやぁ・・・あの姿になってからなんか気分が高揚しちゃって・・・
     ドラッグをやった後みたいな・・・まぁ、やったことないけど、そんな感じだったんだ。
     なんか全ての事に腹立たしくって・・・意味も無く憎くって・・・
     ・・・きっと、同じ体に魂が二つもあって・・・おかしくなっちゃったんだと思う。」
ミルザくん「へ、ホント・・・?じゃあ、許してくれるの・・・?」
アルドラ「モチロンさ!」
大きく笑いながら、アルドラちゃんはそう言いました。
ミルザくんの涙まみれの顔から、さらに涙がぶわっと出てきました。
アルドラ「おいおい、大丈夫ミルザ・・・?まぁ、らしいっちゃらしいけど、
     そんなに男に泣かれても困るな・・・ハハ・・・」
部屋の中に女と男が一人ずつ。
女は気まずそうに頭をかいて、男は大泣きしている。
それはそれは奇妙な光景なのでした。



ミルザくん「そのアクアマリンはどこから?」
泣き止んだミルザくんは、アルドラの胸にかかっている宝石を指差しながら言いました。
アルドラ「ああ・・・そうそう、これが糸石なんだよな。物心ついたとき・・・ああ、あの地下牢の時からかな・・・
      あの時から気がついたら首にぶら下がっててさ。
      怒りのままに能力を使っちゃったんだけど・・・」
ミルザくん「気がついたらついていた?」
アルドラ「ああ。・・・多分ダークの私物だと思うが・・・」
ミルザくん「そうか・・・」
ミルザくんは首を傾げました。
少し引っかかりますが、特に気にしないで考えるのを止めました。

アルドラ「ところで・・・」
ミルザくん「ん?」
アルドラが、ミルザくんの顔を見ます。
深刻な顔です。
アルドラ「オレ、学園を出て行こうと思う。」
ミルザくん「ええ!?」
アルドラの突然の言葉。
アルドラは真面目な顔をしています。冗談を言ったつもりではないのでしょう。
ミルザくん「なんで、なんでそんな事を・・・」
アルドラ「乗っ取られてたとはいえ、とんでもない事をしてしまったからな。
     人を殺したり・・・洪水騒ぎを起こしたり・・・
     全てダークのせいにすればいいんだけど、
     万が一・・・ばれてしまったらお前達に迷惑をかけることになる・・・」
ミルザくん「・・・・・・」
確かに、アルドラの・・・ダークのした事はかなりの物です。
殺人に続き、一クラブの支配、ミルザくん達も躊躇うことなく殺そうとした・・・
そして、アルドラ自身も洪水騒ぎを起こしたり、火山を乗っ取ったりといろいろな事をしているのです。
全てはダークのせいにすれば住むのですが、何より彼女の正義感と、自責の念がそれを許さないのでしょう。
ミルザくんは、何もいう事が出来ませんでした。
アルドラ「・・・ミルザ。オレからの・・・最後のお願いがあるんだ。」
アルドラが、小さく呟くように言いました。
ミルザくん「なんだい・・・?」
再びアルドラの顔を見ます。
アルドラ「抱きしめて・・・くれないか?」
ミルザくんの顔をまっすぐ見つめながらそう言うアルドラ。
ミルザくん「・・・うん。」
ミルザくんは小さく頷くと、アルドラに近づきました。
改めてアルドラの顔をよく見ると、アルドラはとても綺麗で可愛いという事を、ミルザくんは確認しました。

おずおずと腕をアルドラの体に巻きつける。アルドラの体が、自分の体に密着する。
女の子を抱いた事なんて、生涯初めてのこと・・・心臓が破裂しそうだ。
視線の先にはアルドラの肩と髪。とても柔らかくて暖かい。
今自分は、『生き物』を、『人間』を、『女の子』を、『アルドラ』を、抱こうとしているんだ。
アルドラの肩。小さく上下している。吐息が聞こえる。いい匂い。やばい・・・変な気持ちになっちゃいそう・・・
手のひらをアルドラの背中につけ、ぎこちない手つきでなでる。アルドラの腕も僕に巻きついてくる。
アルドラの手のひらが、女の子の手のひらが、僕の背中をなでる。ああ、きっと僕いま顔赤いんだろうな。ああ。
アルドラは、僕の肩に顔をうずめている。どんな顔をしているんだろう。僕と同じような顔だろうか。笑っているのだろうか。嫌がっているのだろうか。
もう分からない・・・
緊張して何がなんだか分からないうちに、アルドラがなにか話し出した。
アルドラ「オレ・・・嫉妬なんかしてないよ。」
ミルザくん「えっ・・・?」
アルドラが僕の肩に顔をうずめながら言う。
アルドラ「オレ、ミルザの事応援する。ミルザがサルーインちゃんを好きなら、
     ミルザがサルーインちゃんと結ばれるように、応援する。」
ミルザくん「アルドラ・・・」
アルドラは、ダークの時に言っていた事とは正反対の事を言う。
これが・・・アルドラの本音なんだ・・・なにか切ない。
アルドラ「だから、オレの事は気に病まずに、サルーインちゃんを好きでいてくれ。
     笑顔を常に絶やさないでくれ。常にいつものミルザでいてくれ。
     オレは、ミルザが幸せになれる事だけを望む・・・
        ミルザが・・・お前が、好きだから!」
アルドラは、俺の顔をまっすぐ見つめながら言った。
アルドラの目に、涙があふれている。俺の目の中にも、何か熱いものが溜まっていく。
アルドラ「これで、お別れ・・・」
アルドラの唇が僕の唇に一瞬触れた。
突然の事だった。驚いた。そして、なぜか涙も流れてくる。
アルドラも泣いている。二人とも泣いたまま、見つめ合った。
切ない。悲しい。けど、悲しんじゃいけない。それがアルドラの願いだから。
アルドラは、腕を放すと、俺の顔を真っ直ぐに見つめ、にこりと笑いながら、言った。

アルドラ「・・・ばいばい、ミルザ!!」



ウハンジ「あ〜あ〜・・・(10人もいるのかよ・・・一人10ジュエルくらいでいいかな・・・)
     さぁ、報酬じゃ。受け取ってくれたまえ。」
サルーインちゃん「おいっ!!」
ウハンジ「ぎゃっ、な、なんですか!?」
サルーインちゃん「なによこのはした金は・・・?あなたの命を助けたんだぞ?私達がいなければお前は死んでたんたぞ?
           それに、一人負傷者がいるし、二人この場にいないから『13人分』だ!
           普通なら・・・1000ジュエルくらいぶんどるのが普通だけど、
           一人100ジュエルで許してやろう。」
ウハンジ「ひーっすいませんー!!」
ワイルちゃん(サルーインちゃんったらお金持ちなのにこういう時はがめついんですよねー・・・)
ストライフちゃん(ほんとほんと。考え方は貧乏な虫けらそのものだ・・・)
ヘイトちゃん「へいへいヘイヒゲ坊主ぅぅぅ!!!♪Λ#▲@lBH↓!!!!金はちゃんとだしなぁぁぁ▲◎m魚!!W」
ストライフちゃん(こいつは言うまでも無いけどな・・・)
デスちゃん「がめついなーホント・・・怪我が無かっただけありがたいと思えよ・・・」
シェラハちゃん「がめついというと不幸な話を・・・・・・」
水竜くん「ジュエルなんかいらんから、わしは帰ってるか・・・ハニーが待ってるシー。」
タイニィくん「私もかえるぞ。早く誰もいないところで落ち着いて毛繕いしたいしな・・・」
アディリスちゃん「あはは〜ん・・・タイニィちゃんの靴ええ〜な〜」
エロールちゃん「己の欲のためだけに、ジュエルを惜しむ寮長の姿があった!!(じゃかじゃーん)」
ウハンジ(くそ、なんなんだこの集団は〜〜〜!!!!!!!!!)



オイゲンくん「あ〜、肩の傷が疼くな〜。で、アルドラとはちゃんとお別れできたのか?」
ミルザくん「できたよ。」

騎士団寮の屋上で、オイゲンくんとミルザくん二人が話し合っています。
オイゲンくん「しかしまさかアルドラがお前を好きだったなんてな〜・・・意外意外。
       ・・・おいミルザ。まさかお前までその気になっちゃってないよな?」
ミルザくん「・・・僕は、サルーインちゃんが好きだ。これからも、サルーインちゃんと結ばれるために頑張る・・・」
オイゲンくんはミルザくんのその一言を聞くと、ふふっと笑いました。
オイゲンくん「なんかサルーインちゃんの名前出してる割に落ち着いてるなおまえ。ははっ・・・」
ミルザくん「そう?」
ミルザくんは、青い空を見上げました。

もうこれは僕一人の問題じゃない。
去っていたアルドラのためにも、サルーインちゃんは絶対に僕のモノにしてみせるー!!



デスちゃん「では、ダークの主君に大体の見当がついたと?」
三途の川でデスちゃんとタイラントくんは今日も飲み会。
しかし、二人の表情はすこし深刻でした。
タイラントくん「そういう事だ。・・・おそらくは、イナーシーの中心に位置する島の主・・・」
デスちゃん「『魔の島』か!確かにあそこは情報網が広い私といえどもはっきりと分かっていない・・・」
タイラントくん「そして、・・・まぁ、これは偶然なのだが、その魔の島の主についての情報を大量に入手したのだ。
        妙な魔術師だった。人間か、モンスターかも分からぬが・・・そやつから情報を手に入れたのだ。
        魔の島の主は、ダークなどを使い送られた死体を使い、色々な研究をしているらしい。
        不老不死だとか・・・新しい術だとか・・・」
デスちゃん「不老不死?ばかな・・・」
タイラントくん「そうだ。そのようなバカで、実現するのは考えられないような術を大量に研究しているらしいのだ。
        本人の魔力も恐ろしいものらしく、それに『将魔』と呼ばれる6匹の強力なモンスターを側近にしているらしい。」
デスちゃん「モンスター?なんだ、そいつはモンスターなのか?」
タイラントくん「いや、そこは定かではないらしい。モンスターなのか・・・人間なのか・・・
        しかし、名前だけなら分かっている。・・・その魔術師が教えてくれた。」
デスちゃん「・・・どんな名前だ?」

       「                      ウェイ・クビン。                 」



リザードロード「あーあーあー・・・ダークの奴、やられちゃったか・・・」
デーモンコマンド「所詮人間よ。まぁ、仕方ないというべきか・・・ねぇ、マスター、ウェイ・クビン!」
ウェイ・クビン「うむ。・・・だが、あちら側に相当強い戦士がいる、というのも事実だ。
        四寮長でもエロールでもサルーインでもなくな・・・
        人間はあなどれぬ。『所詮』という言葉ではくくれぬ可能性を持っておる。」
リザードロード「過大評価しすぎじゃあ?人間なんてバカばかりですよ・・・
        アクアマリンをダークに上げて、サルーイン側に引き込もうとしたのもいるくらいですし。」
ウェイ・クビン「いいか。人間をなめてはいかん。嘗め、見下し、足元をすくわれたという話は沢山転がっておろう。
        油断、差別ほど愚かなものは無いぞ。お前ら。」
リザードロード「そーんなもんですかねー・・・」

ラミア「マ、マスターってウェイ・クビンって名前だったのかよっ!!(ズゴーーン!!)」
モーロック「ん知らなかったのかい!!(パシーーン!!)」


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