第4話「騎士の誇り」

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こうしてミルザのパーティにテオドール、ラファエル、オイゲン、ツフが加わった!

・・・それを遠くから見ていた二つの影がありました。
アルドラちゃん(ダークちゃん)(ミルザがモンスターの巣窟へ!?・・・いやミルザは強いさ、
  大丈夫・・・いいや駄目だ!!放っておけない!!俺も行かなきゃ!俺はミルザを愛してるー!)
もう一つの影はと言うと・・・・・・



ヘイトちゃん「サ、サ、サルーインちゃあァあああはん!!!ゆっゆしき事態でェエす!
  騎士団量のモンスタークラブがあの貧乏寮の奴らによって押し入りされようとしていまァす☆※$!!」
サルーインちゃん&ミニオンちゃん専用部屋に駆け込んできたのは、へイトちゃんでした。
サルーインちゃん「はあ?なんですって?」
モンスタークラブとは・・・サルーインちゃんの選挙運動に密かに暗躍するクラブで、
ミニオンちゃんたちが指揮しています。騎士団寮の監視棟は、その一角なのでした。
サルーインちゃん「何が由々しき事態か!ヘイトちゃん、あんたの管轄なんだから
  それくらい何とかなさいよ!」
ヘイトちゃん「それがサルーインちゃあぁぁぁん!今日の午後ヘェイトってば
  アヒャ笑い選手権の決勝トーナメントなんですうぅぅ卯どうしても空けられなくってヘエー!!泣♪」
サルーインちゃん「・・・・・・なによそのトーナメントは・・・・・・」
ヘイトちゃん「サルーインちゃんも出場すれば結構高順位に入れますよーー絶対★☆★」
サルーインちゃん「私が?アハ、アハハハハハアハハ!!・・・そんなことはどうでもいいのよ!!
  どうしても行けないっていうのへイトちゃん!!」
へイトちゃん「ヒイヒイイイヒイイヒヒヒヒヒお許しを゛を〜〜!!!」
サルーインちゃん「(怯えてんのか笑ってんのかどっちだこいつ)仕方がないわね!私が出るわ!」
ストライフちゃん「なんだと!サルーインちゃん自らそんな虫けらどもの処理に!?」
ワイルちゃん「へイトちゃん!!わがままもいい加減にしてください!」
サルーインちゃん「ワイル、ストライフ、控えよ!ようやくなまった体を動かす機会が出来たのよ
  ・・・本番はこれからよ!」



所変わって、監視棟にやってきたミルザ一行は・・・
ラファエル「私が、足手まといになってしまって・・・」
テオドール「ラファエル、しっかりしろ、もうひと頑張りだぞ!」
ミルザ&オイゲン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ミルザくん(もうひと頑張りも何も超入り口なんですけど・・・)
オイゲンくん(こいつら門をくぐってみたら直リタイア宣言かよ・・・)
ミルザくん(・・・まじで足手まといっぽくね?)
オイゲンくん(・・・まじでこいつら置いてって自分達だけでやる?)
ツフ「やるよ!」
そのツフの一声に、ミルザくん達は彼女と心が通じ合ったような感覚を覚えて毛が逆立ちました。
ミルザくん「(そ、そうだ!)て、テオドールさん!ここの監視棟は広くて僕達騎士団寮生といえども
  よく入り組みを把握してない所!手分けしてやりませんか!?」
オイゲンくん「(ミルザナイス!)そ、そうですよ!効率よく行きましょう!組み分けは
  テオドールさんとラファエル、もう一組が僕とミルザ・・・と・・・ツフ」
テオドールさんはミルザくんたちを見て、得心した様子を見せました。
テオドール「そうだな・・・では君達にはあちらへ行ってもらおう!私達もそのうち・・・
  い、いやこっちの方向へ行ってみるかな!」
ミルザくん「じゃ、じゃあ決まりですね!じゃあお先に・・・」
ツフ「さあ、いくよ!」
こうしてミルザくんたちは足手まといを上手く言いくるめ、監視棟捜索に乗り出しました。



一方・・・
アルドラちゃん(くそっ入り口に騎士団の奴らがいるんじゃな・・・俺が通ろうと
  しても止められるだけだろう・・・ああっミルザを見失ってしまう・・・)
そんなことを考えているとカツ、カツ、カツ、という音が背後から響いてきました。
まるでモデル歩きのような・・・・・・はっ!とアルドラちゃんは連想しました。
サルーインちゃん「ほう・・・これが騎士団寮の拠点か・・・私も全て把握している
  わけではないからな・・・」
サルーインちゃん!!アルドラちゃんが最も憎む、サルーインちゃんの姿がそこにあったのです!

アルドラちゃん「サルー・・・っ(口を押さえる)」
サルーインちゃん「ん?・・・うわっ醜い!」
アルドラちゃん(ガーーーーーーーーーーーーーーーーン&ムッカーーーーーーー!!)
タカビーで自分のこと以外どうでもいいサルーインちゃんは一度見ただけのダークちゃんの
姿など覚えていなかったのです。本当にうわーって顔してるサルーインちゃんの視線は
アルドラちゃんにとってはかなりの屈辱でしたが、アルドラちゃんはここで考えたのです・・・
アルドラちゃん(ここはモンスターの巣・・・ここでもしこの女の身に何があっても・・・)
アルドラちゃんはこっそりほくそえみました。
アルドラちゃん「こんな所に、あんたみたいな美人が女一人で何しに来たんだい?危ないよ」
サルーインちゃん「お前に関係あってか?(ん?待てよ醜いこいつもしかして騎士団寮から
  派遣されてきた奴か?・・・都合がいいかもな)・・・私は、この監視棟に大切な友達がいるのだけど、
  最近ここがモンスターに占拠されたって聞いて、居ても立っても居られなくなったの」
アルドラちゃん「(好都合だ!)俺はそのモンスターの親玉を倒しに来たのさ!
  どうだい、俺と一緒に来ないか?あんたを守ってやれるし、あんたの友達を救い出してやるよ」
サルーインちゃん「(好都合だな)ええ!あなたってなんて親切なんでしょう!どうか私を
  連れて行ってください、ねえ、親切な貴方は一体・・・」
アルドラちゃん「俺は『ダーク』って言うんだよ・・・よろしくな、サルーインちゃん」

サルーインちゃんはそこで気がつくべきだったのです。
「何故名乗っていないのに自分の名前を知っているのか?」しかし学園で(というか世界で)
自分を知らない奴なんているわけないと普通に思っているサルーインちゃんには、到底無理な話なのでした。



ミルザくん「なんなんだここは!?どこをどうやっていっても雑魚ばかりでモンスターのボスなんて
  見当たらないぞ!?」
ツフ「こんな洞窟、バルハラントでは見なかったよ!」
オイゲンくん(だって洞窟じゃねーし)
ミルザ一行は途方に暮れていました。彼らは、この監視棟の仕掛けにまだ気がついていなかったのです・・・



サルーインちゃんと『ダークちゃん』は少し話ながらも監視棟を進んでいました。
サルーインちゃんは自分の強さを隠すため、ダークちゃんに守られるフリをしていました。
ダークちゃんはというと、サルーインちゃんが自分に対して微笑みながら話ながらも、
(さすがへイトちゃんの姉御、変装演技はお得意なのです)
あからさまな侮蔑の光が目にこもっていることに、ますます憎悪の念を募らせました。

ギシ・・・

ダークちゃん(ん?)
ダークちゃんの踏んだ床は、ギシギシと音がして、少し腐っていている様子でした。
ダークちゃん(危ないなー、もう何度か歩かれたら腐り落ちるんじゃねーか・・・?・・・!)
ダークちゃんの閃きはそこでした。ダークちゃんは急にサルーインちゃんの手を引っ張りました。
サルーインちゃん「なに!?・・・きゃあ!!!」
床は急に崩れ落ち、サルーインちゃんは転落しそうになりました。・・・いえ既に転落していたのです!
ダークちゃん「お前なんか(恋)敵じゃない。じゃあなあ!!!」
しかし普段から恨まれているサルーインちゃん、これしきの苦難に機転を利かせるのは容易いことでした!
サルーインちゃん「ほざけ!お前も道連れだ!!!」
ダークちゃんの腕が爪が食い入るほどがしっと掴まれました。ダークちゃん「うあっ!!」
叫びを上げてダークちゃんとサルーインちゃんは転落してゆきました・・・・・・



ドオォォーーン・・・
ミルザくん「?何か音が聞こえた!・・・叫びのようなものも!?」
オイゲンくん「上の方から?いや、右から、この壁の向こうあたりからだ!」
ミルザくん「上に右のほうへ行ける何かの仕掛けがあるんだな!いこう、オイゲン、ツ・・・」
ツフ「さあ、いくよ!!」
ドゴォッ!バギャアッ!!なんと、ツフは壁を素手で壊し始めたのです!
オイゲンくん「・・・(唖然)」
ミルザくん「・・・・・・・・・い、い、いやこれは確かに手っ取り早い!
  ツフ、お見事だ!さあ、行こう!!」



ダークちゃん「はあ、はあ、はあ・・・くっどこか打ったな・・・あの女は!?」
サルーインちゃん「ちっ!爪が折れたわ!ああっヘアースタイルが!一糸乱れてる!
  いやだ、カイナスブランドのハイヒールが折れてる!ああこんな所に履いてくるんじゃなかった!!」
ダークちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ダークちゃんの目論見は失敗でした。しかも何か言葉に出来ない憤りすら感じてしまいました。

『なんだ?お前らは?』

ダークちゃん&サルーインちゃん「!!」
そう、ダークちゃんとサルーインちゃんが落ちたところこそ、この監視棟のボスの居場所、
根城だったのです。
ダークちゃん「お前がここの親玉か!」
『なんだこいつ俺達よりモンスター見てえだな』『キモーイ』
ダークちゃん「・・・・・!!!(プルプル)」
親玉『しかしそっちは素晴らしいべっぴんだ!』
親玉がそういうとモンスターたちの視線がサルーインちゃんのほうに向きました。
ダークちゃん(!これは・・・これは今からでも俺の計画通りに・・・!?
  しかしモンスターたちに弄ばれる・・・ちょっと可哀相だがしかし・・・!)
ダークちゃんが葛藤してる間にもモンスターたちのいやらしい秋波がサルーインちゃんに
迫っていました。しかしサルーインちゃんは眉一つ動かさず、
腰に腕を当て、胸を張ってモンスターたちを見据えました。
サルーインちゃん「控えよ、道具どもが!」
ダークちゃん(え!?)
その一言でモンスターたちが凍りついたように見えたその刹那!

「待てーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

ダークちゃん「!?ミルザ!?」
ミルザくんがどこからともなくモンスターたちに飛び掛って来、銀に輝く
レフトハンドソードでモンスター全部を一刀両断したのです!
ダークちゃん「ミルザ!!」
ミルザくん「サルーインちゃん!!」
ダークちゃん・・・アルドラちゃんがミルザくんに駆け寄ろうとした瞬間にはもう、
ミルザくんはサルーインちゃんの両肩を抱いて心配そうにサルーインちゃんを見つめていました。
ミルザくん「サルーインちゃん、無事だったかい?怪我は?ああ、どうしてこんなところに
  君が居るんだ!?・・・はっご、ごめん!!!」
無我夢中に憧れのサルーインちゃんの両肩を掴んでしまったミルザくんは、我に返って
ぱっとその手を離しました。サルーインちゃんは冷ややかにミルザくんを見返しました。
サルーインちゃん「・・・余計な真似を・・・いや、何でもない。なんの怪我もないし、
  心配されることも、何故ここにいるかをお前に説明する理由もない」
そのSっぽい物言いは恋するMなミルザくんには今までの苦労を忘れて昇天しそうなほど快感でした。
サルーインちゃんはその後何も言わず一人さっさと去ってゆきました。
目で追おうとしたミルザくんでしたが、まるで煙のように、そこには姿も形もありませんでした。

アルドラちゃん「・・・・・・ミルザ・・・・・・・」
ミルザくん「はう・・・サルーインちゃん・・・はっ!アルドラ!?居たのかお前?
  どうしてこんな所に?」
その言葉、今の今までミルザくんの目に自分が映ってなかったのだと思うと、
アルドラちゃんは無性に悲しくなりました。
オイゲン「おいおい、ミルザ?何をいってるんだ・・・アルドラなんかどこにも居ないだろ?
  おまけにこの危なそうななのは何だよ・・・首が折れてるぞ・・・」
ミルザくん「いや、だからさ言ったじゃんこれが・・・」

ツフ「物足りないねえ!!」
話の途中にいきなり入り込んできたその言葉に、その場の一同は全員振り向きました。
ツフはヅヴァイハンターをしっかと握り締めてこちらを見ていました。
その目の輝きは、まるで『運命の赤い糸石』にすら匹敵しそうに爛々としていました。
ミルザ「・・・・・さてと・・・・・」
アルドラ&オイゲン「うん。(こっくり)」
ダアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!
ミルザ一行は逃げ出しました。ツフを置いて・・・       ((LP−15))



サルーインちゃん「・・・という訳なのよ!あの男、良く知らんが
  正義面して今後もモンスタークラブの活動を阻むやも知れぬ!ミニオンちゃんたち!
  あの男は要チェックよ!!えーとなんだっけ、騎士団寮の・・・えーと・・・」
ワイルちゃん「ミルザです、サルーインちゃん」
サルーインちゃん「ああ、そうそう!ミザル!とにかく疲れたわ、
  あんた達って頑張っているのねえ、いつもこんなことしてるの?」
ストライフちゃん「ふん、サルーインちゃんの為だからな
  (この人ミルザが自分に惚れてること気付いてないんだな・・・)
へイトちゃん「そうですともォオ!!(自分のことしか考えてないニブチン・・・かわいい★☆)
  ところで聞いてェー私ヘェイトってばアヒャ笑いコンテストで」
他三人「どうでもいい」



テオドール「・・・・・・・・」ラファエル「・・・・・・・・」
険悪な雰囲気がミルザブールの宿舎に流れます。ミルザくん、オイゲンくん、アルドラちゃんは
気まずそうに俯いていました。
テオドール「君達の働きは評価しているよ・・・しかし・・・・・・
  もう騎士団寮に寄宿はさせられない」
オイゲンくん「ええ!!」
三人は愕然としました。絶望を感じる暇すらなく、オイゲンくんからは驚きの声が漏れました。
オイゲンくん「待って下さい、それはあまりに理不尽な・・・!(騎士団寮が一番寄宿金が安いんだ、
  ここを追い出されたらミルザは・・・!)」
ミルザくんは蒼白になっていました。先程のサルーインちゃんとの甘い一時(ミルザくんだけ)も
薄れてしまいそうなほど、怖ろしい事実を突きつけられているのだと感じ取ったのです。
アルドラちゃん「待ってくれ!!」
オイゲン&ミルザ「アルドラ?」
テオドール「なんだね・・・アルドラ君」
アルドラちゃん「全ては俺が独断でやったことだ!モンスターの親玉を倒して手柄を独り占めしようと
  したのが逆に返り討ちになりそうになって、そこでミルザに助けられたんだ!!だから
  ミルザは何も悪くない!悪いのは俺だけだ!放寮処分は俺だけのはずだ!そうだろう!」
ミルザくん「アルドラ!!」
テオドール「・・・事情の仔細は分かった。本日にて、アルドラを騎士団寮放寮に処する!!」
ミルザくん「アルドラッ!!!」
アルドラちゃんはミルザくんのほうに振り向きました。
アルドラちゃんはダークちゃんの顔で、微笑んでいました。



オイゲンくん「・・・くそっ・・・元気出せよミルザ・・・悪いのはお前じゃない・・・
  悪いのはこの腐った騎士団寮だろう?」
ミルザくん「・・・・・・ああ・・・考えていたんだ・・・・後悔しているんだ、
  どうしてこうなってしまったんだろうって・・・」
オイゲンくん「お前が後悔することじゃないよ!!後悔なんかするな!!」
ミルザくん「・・・うん・・・でも後悔せずには居られないんだ・・・ぼくあの時なんで
  「全部ツフが勝手にやったんです」って言えなかったんだろうって」
オイゲンくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」



アルドラちゃん(・・・あのサルーインちゃんの一言・・・確かにモンスターは
  凍りついた・・・俺は気付いたぞ・・・サルーインちゃんとモンスターの間には何かある!)

・・・こうしてアルドラちゃんの悲劇は始まり、
ミルザくんとサルーインちゃんとの三角関係はますますねじくれてゆくのでした・・・


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