第7話「幻のアメジスト」

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またまたマルディアス学園。
ここはローザリア舎のイスマス寮。その寮長室にて。

イスマス寮長のルドルフが、喜色満面で浮かれておりました。
「そうか!ついにディアナに初めての彼氏が!素晴らしい!」
そう言って豪快に笑うルドルフ。
優しい微笑みを向けるルドルフの妻、マリア。
そして顔を赤らめながら、湧き上がる喜びをおさえきれないディアナと――
――その足元に転がる弟のアルベルト。
「父上、お赤飯は?」とぬかしたので
ブラッディスパルタンで教育した所です。

「さぁ宴の準備だ!それも豪勢なやつだ!」
少々過保護な気があるルドルフさんはもうノリノリです。
そして一応口で止めながらも、まんざらでもないディアナさん。

「しかし、こんな素晴らしい日に普通の宴でも芸がないな」
「そんなあなたのためになるかどうか分かりませんが、
こんな話があります。」

ルドルフがビクッ!!として振り返ると、
いつの間にやら謎の吟遊詩人が立っておりました。
「実は私、こういう物を持っているんですが……」



ヘイトちゃん「大変大変大変よホォ〜〜たいへんなぁんのよう〜●●▽a★!!」
ストライフちゃん「そうか大変だな。お前は変態だけどな。」
ヘイトちゃん「そうでェ〜っっすキャハ★星☆♪
それよりサルーインちゃんこれを見てよぉ=〜〜」
サルーインちゃんはヘイトちゃんから渡されたチラシを見てみました。
サルーインちゃん「イスマス寮主催のダンス大会?」
ワイルちゃん「あぁ、そういえばイスマス寮長の娘にやっと彼ができたとかで
その宴のメインイベントらしいですねー。」
サルーインちゃん「はん。彼氏の1人や2人で浮かれおって。
平民は幸せハードルが低いなアハハアハアハハハハ。
んで。これの何が大変なのよヘイト」
ヘイトちゃん「優勝商品を見てみてぇエエエエエエエエ!」

優勝商品:アメジストの首飾り

ワイルちゃん「これってひょっとして……糸石?」
ヘイトちゃん「その可能性オオアリよぅ〜〜ん。そんなでかいアメジスト見たこと無いわッヒャー!!」
ストライフちゃん「確かに。当たってみる価値はありそうだな。
で、どうやって石に近づくんだ?」
ヘイトちゃん「そんなの簡単よ☆★〜〜〜!!」
そうヘイトちゃんは叫ぶと着ていた服を放り投げ、

「出場して!優勝して!堂々とかっさらうのよォーーー!!
ん〜〜〜レェェッツダァァアアンシィィィング!!!」

いつのまにやら真っ赤なフラメンコのドレスを着ていました。
なぜかサタデーナイトフィーバーのポーズでキめています。

ワイルとストライフが時間凍結している中で、
サルーインちゃんは「名案だな。アハアハハ」と高笑い。
シェラハちゃんは、ダンスと聞くと悲しいことを思い出すわ…
そのあとマイケルとかネバーランドとかブツブツ呟いています。

デスちゃんはそれを見ながらぼんやりと考えておりました。
(なーんで私ここにいるのかなー)と。

ワイルちゃん「しかしなんでまたフラメンコなんです?」
ヘイトちゃん「ダンスは情熱ゥ!情熱は赤ァァァァ!赤といったらアタシ達で!
だからアタシ達はフラメンコじゃないのよぉ=〜★!」
ストライフちゃん「ビタ一文意味がわからん。」
ヘイトちゃん「うるっさいわねぇ〜もう曲も決めちゃったし!申し込みもギリギリ間に合ったの!
あとはみんなで練習あるのみよぉ〜〜!」

ん?

ワイルちゃん「ちょっとまって下さいヘイトちゃん。」
ストライフちゃん「…お前が出るんじゃないのか?」
ヘイトちゃんはちっちっちと指を振りつつ、
ヘイトちゃん「確実に勝つには!トライアングルフォーメーションしか無いのぉぉ〜〜〜
ワイルちゃん!あんたもう謹慎とけたんでしょ!
ストライフちゃん!あんたもたまには仕事しなさいよっっ★●$」
ヘイトちゃんのその言葉を聞き、ワイルちゃんの顔はぱぁっと明るくなり、
逆にストライフちゃんの顔はどんより曇ってきました。
ワイルちゃん「そうですね!よーし!名誉挽回のために頑張ります!」
ストライフちゃん「わ……私は別の事をする……」
そういうとストライフちゃんはぷいっとそっぽを向いてしまいました。

ワイルちゃんとヘイトちゃんは互いに顔を見合わせて、
ちょっと考えをめぐらせた後、はた、と思いつき……
ニヤ〜〜ッと笑みをうかべました。
ヘイトちゃん「ストライフちゃん……ドレス着るのが恥ずかしいんでショ★」
ぴくっ
ワイルちゃん「普段からスカートとか着ないもんね〜。キレイな足してるのに。」
ぴくぴくっ
ヘイトちゃん「水泳で鍛えてスタイル良いんだかラ。見せびらかせばいいのニネー」
ワイルちゃん「そうですよ。バストもサラシを巻いて小さく見せてるそうですよ。イヤミですよねー」
ぴくぴくぴくっ

ストライフちゃん「よっ、用事を思い出した!」
言うやいなや、ストライフちゃんはステルスを連打しながらダッシュしました。
ワイル&ヘイト「あ!!」「逃げた!!」
サルーインちゃん「剣閃!」
サルーインちゃんの剣の一振りで、ストライフちゃんの足元がふっとびました。
デスちゃん「開門」
慌てて起き上がろうとするストライフちゃんを、門から伸びる手が掴みます。
シェラハちゃん「……漆黒の帳」
離せー離せよーとじたばたするストライフちゃんが、かくっと動かなくなりました。
ワイルちゃん「ナイス3連携です!お姉様!」
ヘイトちゃん「よぉぉおっし★ひんむけェェェェェ★●d☆」

かくして、マルディアス学園の片隅にて、凸凹即席ダンスチームが結成されたのであった。


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