第13話「クリスタルレイクプールご招待」

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・・・雷鳴が鳴り響く、その高く聳える魔の住み着いたような島・・・

デーモンコマンド「マ、マスター!!ついに究明しましたよ!!
      『水のアクアマリン』の在りかを!!」
ウェイ・クビン「すでに知っているわ!『クリスタルレイク』であろう!!」
デーモンコマンド「うぐっ!!ま、また手柄を取り損ねた〜・・・」
ウェイ・クビン「しかも近くに、クリスタルレイクでなにかイベントが開催されるという!
       そこにはあの『アメジスト』を掠め取っていったミルザ、そして
       サルーインちゃんも招かれるという・・・」
デーモンコマンド「・・・!ま、また『糸石』を先に攫われてしまうかもしれないんですかあ!?」
ラミアちゃん「ばか!私達が潜入して必ず糸石を先に手にするのよ!!ねえマスター!」
ウェイ・クビン「・・・それが問題だ。クリスタルレイク内にあるということは確かでも
       あの広大な湖のどこにあるのか?それが判明しておらん。その上にイベント間近
       ということで今は厳重な警備体制が張られておるしイベント当日となれば確実に
       探索など不可能だ・・・しかし一体このイベントの意図はなんなのだ?
       今までクリスタルレイクは立ち入り禁止区になっていたというのに出し抜けにこの
       人を何人も寄せ集めるような真似。・・・解せぬ・・・解せぬぞ・・・
       なにかがある。わしの邪魔立てをする・・・ミルザでもサルーインでもない!
       わしには見える!わしの前に黒い翼が立ちはだかっているのに見える」
ラミアちゃん「(マ、マスター独り言はじめちゃった・・・)で、では在り処が曖昧な
       『アクアマリン』をどうやって手にしろっていうんですかぁ〜!」

ウェイ・クビン「・・・・・・・・『糸石と糸石は惹かれあう』・・・・・・・・」

リザードロード「・・・・・マスター、まさか!」
ウェイ・クビン「・・・これは大きな賭けだ!だがこの方法は一番確実性があるのだ、
       『運命』という味方をつけることが出来るのだからな!・・・失敗してはならんぞ、
        決して失敗は許されぬ!・・・しかしわしはやろう、『黒い悪魔』を破り去るために!」



『クリスタルナイト・・・開幕ーーーーーーー!!!』
パアン!パアン!・・・華やかな花火と共にクリスタルレイクプールは記念すべき開場をしました。
ミルザくん「うわあーーーーーーーーすっごいなあ・・・!わくわく」
オイゲンくん「なんかプールって言うよりもテーマパークみたいな感じだな」
ミルザくん「僕こんなところにこれるのもうこれからの一生にないだろうなあ・・・!うきうき」
オイゲンくん「・・・・・実は結構悲しい内容を嬉しそうに言ってるな」

???「ミルザさん!」
ミルザくん「ん?・・・あっゲラ=ハ!!」
ゲラ=ハ「お元気にしていましたか?お久しぶりです」
ミルザくん「元気だって元気だって!それしか持ち物ない貧乏だから僕!」

???「おーーーーいミルザーーーーー!」
ミルザくん「んん?・・・あっジャミル!!」
ジャミル「いよう!元気にしてたかよ!?恋の行方ののほうはどうだ〜いひひ俺はまあなかなか・・・」
ミルザくん「ななな・・・!!不躾な!ほ、ほっといてくたまえよ!つーか自慢かよ!!」
ゲラ=ハ「この方は・・・?」
ミルザくん「ああ、あのね、こいつはジャミルって言って、こっちは僕の同期のオイゲンで・・・」
ジャミル「俺はジャミル、よろしくな!」
こうして四人は瞬く間に仲良しになってしまいました。

???「アハ、アハハハハハしょーもない水溜りだな!!」
ミルザくん「(ドキーーーーーーーーン!!)はうっ!!こ、この声は・・・!」
ミルザくんが振り向くと・・・
シェラハちゃん「姉さん、一応これは湖と言う名称なのよ・・・」
デスちゃん「しょーもない水溜りとこき下ろしつつもものすごく目をきらきら輝かせてるな」
そこにはあのセレブ三姉妹、愛しのサルーインちゃんの姿がありました。・・・もちろん水着です!
シェラハちゃんは黒の透けるレースのようなきわどい水着、デスちゃんは白装束のような水着、
サルーインちゃんは血が情熱に燃え上がるような真っ赤な水着でした!スタイルは最高に抜群!!
ミルザくん「プフーーーーーーーーーーゥ!!!(鼻血噴出)・・・ふっこんなこともあろうかと思って
      鼻にティッシュ詰めてきておいてきた僕はさすが万事おこたりないぜ・・・」
オイゲンくん「水中用の鼻栓さ!とかせこいいいわけも出来て一石二鳥だしな」
ゲラ=ハ「・・・・いつも殆ど半裸の人の水着姿を見て興奮するものなのでしょうか?」
ジャミル「それが恋する青少年のサガってやつなのさ」
ゲラ=ハ「・・・私はまだまだ人間達のことを沢山学ばねばならぬようです・・・」
『マルディアス学園の素晴らしき生徒諸君!』
そこで拡声器での声がプール中に鳴り響きました。
ナイトハルトくん『今日という日に諸君らにお集まり頂けた事まことに嬉しく思う。
      ローザリア舎が名誉をかけて開設したこのテーマパーク、ぜひとも隅々までお楽しみあれ!』
わーーーーーーーーーーーーーーー!!!ついに、一大イベント『クリスタルナイト』の開幕です!
ミルザくん「すっごーい・・・僕、今日の贅沢のこと忘れない・・・!それに
      サルーインちゃんのみ、水着姿・・・・・・・・・・!!」
恍惚とテーマパークを少しの間見渡した後振り返ると、そこには愛しのサルーインちゃんの姿・・・
水の中にそっと足を漬からせていくその光景は、ミルザくんには水の仙女のごとく映りました。
サルーインちゃん「アハアハハハハそおれっ!!・・・・ぶっ!?」
サルーインちゃんは静かに足を水につけていたかと思ったら一転、子供のように無邪気に飛び込みました!
・・・しかし!
サルーインちゃん「ぶはあばばば・・・・・!!」
シェラハちゃん「ちょ、ちょっと姉さん!?」
デスちゃん「足でも吊ったのか!?しっかりせんかサルー・・・」
ミルザくん「うわああああああああサルーインちゃーーーん!!!」
ミルザくんがサルーインちゃんを助けようと超ダッシュしてきた瞬間!!

ナイトハルトくん「サルーインちゃん!大丈夫か」

ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」
いつのまにかナイトハルトくんがサルーインちゃんを持ち上げ、溺れているサルーインちゃんを助けていました。
サルーインちゃん「ぜーはーぜーはー・・・っおのれナイトハルトーーーー!
         なぜ水深180m以上と明記してないのだえええいこのゴミ!粗大ゴミ!!!」
ナイトハルトくん「・・・ぷっ、ふ、だってカナヅチなのに子供みたいに飛び込むあなたが悪いのだよ!」
看護婦さん「だ、大丈夫ですかぁ〜?」
・・・・・呆然とミルザくんはその光景を見つめていました。
・・・・・・・それはまるでドラマのような美男美女・・・(看護婦さんと会話内容は削除されています)
しかもそんなミルザくんの耳に飛び込んできた会話がありました。
シェラハちゃん「カナヅチと聞くと何も思い出せないわ・・・姉さんってカナヅチだったの?」
デスちゃん「・・・・・そういえば昔から海とかに行く時も浅瀬でしか遊ばない子だったが・・・」
―――――姉妹ですら知らないサルーインちゃんのカナヅチを知っているナイトハルトくん!?
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・(くらっ)」
オイゲンくん「おーいミルザ、ミールーザー、サルーインちゃんの水着姿だけでのぼせちまうのは
      流石に早すぎるんじゃないのー?」
ミルザくん「・・・カナヅチ・・・カナヅチ・・・トンカチ・・・カナヅチ・・・」
ジャミル「おいおいミルザ、よくわかんねえけど今懸賞金付きイベントの受付やってるぜ?
     水中モーターレースみたいだけど・・・おーい?」
ゲラ=ハ「全く聞いていませんね」
ジャミル「しょーがねーなー、代わりに名前書いてきてやろっと。・・・・・
     (参加者の主だったやつは・・・ウハンジとトゥーマンね・・・ふふん『ちょうどいい』・・・と)」
パトリック「バファル舎バンザーーーーーーイ!!!
      (会計係のこの私は最近赤字続きでやばいのだ・・・!絶対優勝せねばー!!)
豪華プールの一大イベントは、さっそく盛り上がりつつありました・・・。



・・・がさっ
ワイルちゃん「・・・・・アーアー、潜入無事完了、応答願います」
ストライフちゃん「ふつうに隣にいるのになんで無線ごっこしてるんだお前は」
ヘイトちゃん「興奮してるのねエ絵えええい!!◆戯!!それでもへェイトには及ばないわん☆」
ミニオンちゃん達はこっそりクリスタルレイク内に潜入していました。
ストライフちゃん「しかしクリスタルレイクプールと言っても本当に一部分だけ開発したに
      過ぎないんだな。私達のいるところはなんの手も付けられていないところだ」
ワイルちゃん「それはそうでしょう、クリスタルレイクはローザリア舎全寮から水を引かれている
      水源地でもあるんですから全開発なんて出来ませんよ、それでもあのプールは広大ですけど」
ヘイトちゃん「あひゃーーーーっちゃ!!ヘェイト見つけちゃッとぁあああ!!☆★e!!
      あそこの水中の奥に用水路の大元があるフェ!!!」
ワイルちゃん「ちょ、ちょっと近づいちゃ駄目ですよヘイトちゃん!!吸い寄せられて溺れちゃいますよ!!」
ストライフちゃん「全く・・・しかし人気のないところで思う存分泳げそうだな・・・!!」
ワイルちゃん「ストライフちゃん似合ってますその水着!!すごく引き締まって素敵!!
       (いつもと同じの競泳水着だな・・・違いがわからなくてごめんなさいストライフちゃん・・)
       ね、ねえ私のこれどうでしょう?花柄がちょっと大きくて大胆かなと思ったんですけど
       淡い赤だしそれもポイントになるかなーなんて・・・!えへへ」
ヘイトちゃん「ヘェイトの水着はどうよどうよォオ!?」
ワイルちゃん「・・・名状し難き・・・」
ストライフちゃん「・・・深遠からの恐怖が・・・」
ヘイトちゃんの水着がどんなものかはさておいて、ミニオンちゃん達も(サルーインちゃんを忘れて)
クリスタルレイクの片隅で楽しんでいました。



???(・・・・・・うまくやったのか?)
看護婦さん(もちろんよ・・・・・でも・・・ああこんな作戦って・・・!)



サルーインちゃん「えーーーーーーーーーーーーーなんでよ!!!!」
デスちゃん「駄目なものは駄目だ。カナヅチなのになんでプールに入れる!!」
シェラハちゃん「駄目なものは駄目と聞くと悲しいことを思い出すわ・・・
     とりあえずマンションプレゼントしてって言ったら預金通帳を震える手で見せて
     駄目なものは駄目って汚ねえ泣きづらして言った借金持ちの男の話」
デスちゃん「おまえほんとひどいな。・・・じゃなくてあーもうだからサルーインは駄目!!
     ただでさえお前は危なっかしいしょーもない体は大人で頭脳は子供の可愛い妹なのだから!!」
サルーインちゃん「うるせえよさりげなく貶めやがってこの骨太姉貴!!見ておれ泳げなかろうが
     この世のありとあらゆるものは全て私に屈服するのだ!!水も同じくな!!氷幻術!!!」
氷幻術!サルーインちゃんがその魔法を唱えた瞬間一気にプールの一面が凍りつき、サルーインちゃんは
ふわりと飛んでその凍りついた表面に立ち、モデルポーズをしました。
サルーインちゃん「アハ、アハアハハハハハ!どうだ私の真の力、見たか!」
デスちゃん「お前プールって泳ぐものなんだが本末転倒って言葉知ってるのか?」
サルーインちゃん「ほんまつてんとうとはなんの粉末だ?氷幻術!!氷幻術!!!アハハハハハアッハ」
広大なプールがどんどん凍り付いていきます。泳ぐ場所がねーよ!と苦情が来そうなものですが
なにせ招待された人数が人数なので殆ど気がついていない・・・と思いきや。
客1「う、うわあああプール全体が凍り付いているううーーーーーーーーー!!!」
客2「やばい、はまった!うわーーーーーーー助けてくれーーーーーーー(泣」
サルーインちゃんが調子に乗って氷幻術をかけすぎた結果、第一、第ニ、第三まである
プールのうちサルーインちゃん達のいる第一プールの全体が凍りついてしまいました!
サルーインちゃん「さあ、全ては私の舞台だ!!アハハアハハハハハハハハ!!!」
デスちゃん「・・・死神様こんな妹がある日可愛い骨のような妹に変わっています様に・・・」
シェラハちゃん「全ては私の・・・と聞くと悲しいことを思い出すわ・・・
      水に入らなくても男共の視線は全て私の谷間のものって話・・・うふふふふふ」
デスちゃん「死神様もはや全然悲しい話でもなんでもないネタ切れの
      自慢話の妹をかわいい骨のような妹に変えてくださいますように・・・・・・」



ゲラ=ハ「水面を歩いている女性がいる!人間にはあんなことも出来るのですね・・・!」
ジャミル「ゲラ=ハ、ゲラ=ハ、あれは・・・・・まあそういうことにしといてもいいや」
ミルザくん「水面を渡るサルーインちゃん・・・ああっ水の仙女のようだ・・・!!」
オイゲンくん「氷の上歩いてるだけだろ。(キッパリ)・・・つーか俺達泳げねえじゃん・・・」
プーーーーーー・・・と大きな音が鳴り響きました。
ジャミル「おっと、こりゃ第三プールで開催されるモーターレースの合図だぜミルザ」
ミルザくん「ええっ!!ぼ、僕・・・ただの一時でもサルーインちゃんから目を離すなんて耐えられないああっ」
オイゲンくん「おまえなー・・・」
ジャミル「いや!そういうと思ってたよ!じゃ、山分けってことで俺が変わりに出場してきてやるさ!」
ミルザくん「えっまじで!?なんで!!ジャミルお前って実はいい奴!?」
ジャミル「今更気付いたのかよ!ははっまあ山分けだぜ?てことでじゃあ俺はちょっくら優勝
     してくるぜーーーー」
ジャミルはさっそく一番広く造られている第三プールへと向かっていきました。ニヤリと笑いながら。



ミルザくん「ジャミル・・・ちょっと不良に見えて実はいいやつっていいやつ度が倍増するよね・・・!
      ・・・ふう、サルーインちゃん・・・・・・・」
ミルザくんは氷原の(実際は凍ったプールの)サルーインちゃん鑑賞にふけりました。
その妄想は徐々に膨らんでいきミルザくんはサルーインちゃんと二人でフィギアスケートしている
映像を思い浮かべたり氷山で凍える寒さを凌ぐために二人裸になって寄り添ったり
オイゲンくん「あんまり妄想すると本当にそっちの世界行っちゃいそうだからやめろよ」
ミルザくん「あっ!!」
その時でした、サルーインちゃんが氷原の上で転びそうになっているのにミルザくんは気付いたのです!
ミルザくん「はああサルーインちゃーーーーーーーーーーーーん!!!」
ミルザくんは凍ったプールの上をサルーインちゃんを支えようと駆け抜けました!!!
べちゃっ!!
サルーインちゃん「・・・・・・・・・・・・・」
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・転んだのはミルザくんの方でした。サルーインちゃんはちょっと気分も上々で小躍りし、
跳ねてみただけで転びそうになど全然なってなかったのに、いきなり突進してきたミルザくんをするりと避けたら
見事なまでにまぬけに転倒してくれたのです。
ミルザくん(・・・・・・・僕って・・・・・・・何やってんだろう母ちゃん・・・・)
サルーインちゃん「・・・・・・・・・・・・・ぶっ!」
ミルザくん「・・・う?」
サルーインちゃんはそんなミルザくんを見て思わず噴出してしまったのです。
サルーインちゃん「アハッハハハハハハ!!!ゴ、ゴミのような奴らも生きてる内に一度は
      楽しませてくれることもあるのだな!ほら!鼻が潰れた道具の一人、道具ならしっかり立たんか」
ミルザくんは一瞬目を疑いました、サルーインちゃんが転んだ自分に手を差し伸べてくれている光景が映ったのです。
サルーインちゃんにとってはただの気分がいいからの気まぐれに過ぎませんでしたが、ミルザくんには――
ミルザくん(妄想の続きか!?(こんな時だけ現実的に戻るミルザくんでした)い、いや妄想でもいい!!
      サルーインちゃんが僕に手を・・・・・――――――!)
ミルザくんがサルーインちゃんの手を取ろうとしたその時でした。
サルーインちゃん「!!―――――――ああ!!?」
ミルザくん「サルーインちゃん!?」



デスちゃん「――――どうした、あの愚妹の様子がおかしい!!」
シェラハちゃん「―――氷が割れたの!?・・・・・ちがう、引きずり込まれてるわ!!」



ミルザくん「サルーインちゃん!!――――サルーインちゃん!!!」
差し伸べられたサルーインちゃんの手は『凍っていたはずの水面』に水の渦がまいて
引きずり込まれていき、サルーインちゃんは『水』の中へと消えてしまったのです!
ミルザくん「サルーインちゃん!!!?」
ミルザくんもサルーインちゃんが引きずり込まれた所から水中へと行こうとしたときには
すでに『サルーインちゃん自身がかけた氷幻術』の分厚い氷がそこをさえぎっていました!
ミルザくん「どういうことなんだ!?『あれは確かに水だったぞ!?』・・・ここは確かに
      氷が張っている―――――――サルーインちゃんは!?」
デスちゃん「どうしたというのだ!!」
ミルザくん「デスさん!?・・・訳がわからないのです!!氷面がいきなり『水の渦』となって・・・
      サルーインちゃんを引き込んだ後に元の分厚い氷に戻ってしまったのです!!」
ミルザくんはそういってガンッ!!とその地点を力いっぱい蹴り叩いて見ました。
シェラハちゃん「無駄よ、姉さんの幻術の力は半端ではないわ、私達の火術でも溶けることも
      壊れることもないでしょう、・・・その幻術の力を破って『一瞬の渦』を作ったとは一体!?」
オイゲンくん「どうしたんだ!!」
ゲラ=ハ「ミルザさん!!」
ミルザくん「二人とも!!」
一同がミルザくんの元に駆けつけたその時―――暗黒の雲がクリスタルレイクの空を覆い尽くしました!



『我は魔の島の主ウェイ・クビン―――――――真のイベントとはこれだ、
 麗しの深紅に輝ける君―サルーインちゃんをその手に取り戻せよ!!『取り戻せるならな!』』



デスちゃん「・・・『ウェイ・クビン』だと――――――!?」
ミルザくん「―――――――――サルーインちゃん!!!」

ストライフちゃん「――――今の、聞こえたか!?」
ワイルちゃん「ま、またサルーインちゃんの身になにかが!!!」
ヘイトちゃん「本当にトライアングル・フォーメーションのトキがやってきたようねィイええ!!!」

看護婦の衣装が乱暴に脱ぎ捨てられました。
ラミアちゃん「どういうことなの!!こんなことあたしたち聞いていないわ、
      ・・・いいえあれは『マスターの声ではないわよ』!!!」
リザードロード「・・・もちろんマスターではない・・・!私たちに命じられたのは
      『サルーインの体に魔のエメラルドを付け水のアクアマリンを惹き寄せる』ことのみだ!!」
デーモンコマンド「これは・・・陰謀だ・・・マスターの名まで知れてしまった!!
       このイベントははじめから見えざる敵の陰謀だったのだ!!」]



ミルザくん「くそっ!!壊れよ、壊れよ、壊れよ、壊れよ!!(ガン!ガン!)」
デスちゃん「(愚妹の口癖はわざとやってんのかなー)ミルザよ、いくらお前のレフトハンドソードでも
      この氷を砕くことは不可能だ・・・」
ミルザくん「しかしサルーインちゃんが!!!サルーインちゃんがこの氷の下に引きずりこまれたのです!
      今も息も出来ずに水の中に・・・・・・・・!!!」
ナイトハルトくん「どうしたことなのだ、これは」
オイゲンくん「ナイトハルトさん!・・・(く、ここはあんまり気分のいいやりかたじゃねえが・・・)
      サルーインちゃんが氷の張ったプールの中に閉じ込められたのですよ!?
      これでもし彼女の身に何かあれば主催者のあんたの責任になってきますぜ・・・!?」
ナイトハルトくん「・・・・・・・第一プールは第二・第三プールとつながりがなく独立した
      プール・・・どこからか水中に入り込むということは不可能だ」
シェラハちゃん「―――――おお、姉さん!!悲しい話リストのトップになっちゃうわよ!?姉さん!!」
ナイトハルトくん「いや―――君は、ゲッコ族だな?」
ゲラ=ハ「はっ!?・・・はい、私はワロン島生まれのゲッコ族、ゲラ=ハです」
ナイトハルトくん「ゲッコ族の唾には強力な酸が含まれていると聞いたことがある。
      もし術法の火で解けないような強力な魔力の氷でも、酸ならばあるいは魔力を無効化して
      溶かしてしまうことが出来るかも知れん。やってくれるか?」
ミルザくん「―――――――ゲラ=ハ!!」
ゲラ=ハ「・・・・・・・確かに仰るとおりです、氷を溶かしたことはありませんが――――
     やってみましょう!!!」
デス&シェラハ「おお!サルーインちゃん、無事でいてくれ!!」
ナイトハルトくん「・・・頼むぞ・・・」

(その為に呼んだのだからな・・・)



その頃第三プールでは・・・
ジャミル(なんだなんだ?またサルーインちゃんに何かあったようだが・・・
     まあさっさとこっちを済ましちまえやいいことだ!)
ガン!!!
水中モーターがぶつかり合い、その疾走を弱め、ついには二つがつながりあったまま止まっていました。
ウハンジ「ちい・・・おのれ最初からお前の魂胆など分かっていたぞ!この華やかなイベントに乗じ、
     水中の事故と見せかけてわしを消すつもりだったということはな!!」
トゥマン「ふ・・・そののろまそうな頭でなかなか察しがいいところが最も気に食わないところだ・・・
     だが幾らお前がその頭を使い逃れようとて神秘の力の前には無力なのだぞ」
ウハンジ「何をごちゃごちゃいっている!!お前が『事故』に見せかけてくれる前に、
     わしがお前を『事故』に見せかけてやるわい!」
ジャミル「うわわわあああああーーーーーーこれどうやって操作するんだーーーー!?」
ウハンジ&トゥマン「!?」

ガガン!!!
ぶつかり合っていた二台のモーターにさらにジャミルのモーターが突っ込んできました。
ウハンジは体制を崩しましたがかろうじて尻をつくことだけは免れ、トゥマンはというと
こちらのほうが衝撃が酷く大きく転倒してしまいました。
ウハンジ(ここが好機!!)
ウハンジは大きく転倒し焦って起き上がろうとしているトゥマンを水中へと押しだそうとしました。しかし!
トゥマン「待てィ!!この生徒がどうなってもいいのか!お前のエスタミル寮の生徒だぞ!!」
ジャミル「ひいぃ〜〜〜〜〜〜、お、お助けをウハンジさま〜〜〜〜〜〜〜!!」
ウハンジ「なっ・・・!!」
なんとジャミルは起き上がった体制のトゥマンに捕らえられ、首にナイフを突きつけられてしまったのです!
トゥマン「お前のところの生徒が不慮の事故で死んだとなれば、お前も付いて居ながらの管理不十分、
     もし見捨ててその後に私も事故として処理したとしたら、エスタミルとタルミッタの反目状態が
     お前がやったのだという風聞を呼び起こし、お前の地位を危うくするだろう!」
ウハンジ「ぐ・・・く・・・!!」
ジャミル「ひええ〜〜〜、(くねくね)お助けを〜〜〜(くねくね)
     おいらはなんも悪いもんじゃございませ〜ん(くねくね)」
トゥマン「ええい!!くねくね動かずおとなしくせぬか!!」
そう言うとトゥマンは体制を立て直すと、ジャミルをぽいっと水中へ投げ捨ててしまいました。
ジャミル「ひゃあ〜〜〜ありがてえありがてえ〜〜〜!!生きてるって最高!」
ジャミルはそこからさっさと居なくなってしまいました。
ウハンジ「・・・・・どういうことだ、あの生徒を切り札にするつもりではなかったのか!?」
トゥマン「ふっ、切り札など用意しなくても私には偉大なる守護神様が付いておられるのだ!!
     『水龍の腕輪』よ!!この者を溺死させたまえ!その力を我に、なにとぞ、なにとぞ――――」
ウハンジ「―――――――――ああ、可愛い娘よさらば!!!」
・・・・・・・・・・・
ウハンジ「・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」
トゥマン「・・・・・・・・・・・・・・・あれ?・・・・・・・・・・・・・・・ない、
     ない、ない、ない!!!『水龍の腕輪』が、なーーーーーーーーーい!!!」

ジャミル「・・・へへーん、ちょろいもんだぜ!これで噂に聞いてた水を操れるという『水龍の腕輪』
     ゲットだぜ!!・・・・・さて、なんか妙なことになってるらしいが、俺もいっちょ行って見るか!」



ゲラ=ハ「――――――――開いた!!穴が開いた、溶けました!!これで人一人十分
     入れる大きさです!」
ミルザくん「ゲラ=ハ・・・・・!!ああ、よくやってくれた!!・・・君の舌、凍傷に!」
氷を溶かすため何度も何度も舐めたゲラ=ハの舌は、痛々しく腫れてギザギザの傷が出来ていました。
ゲラ=ハ「・・・これしきのことは、何でもないことですミルザさん。それよりもはやく、
     サルーインさんを助けに行ってください!!ゲッコ族の私にも分かります、
     大切な人なんでしょう!!」
ミルザくん「―――――――ゲラ=ハ、デスさんシェラハさん、オイゲン、ナイトハルトさん・・・」
ナイトハルトくん「ミルザくん、クリスタルレイクには奇妙な伝承があるのだ。
      巨大なイカのモンスターが住み着いており、人を食らうという――――」
ミルザくん「――――――僕、行きます!!」
ミルザくんは銀色の光を暗黒に覆われた天に掲げ、そのレフトハンドソードを持って
水中へと入っていきました。



・・・・・ブクブク・・・・・表面の氷が光をさえぎり、乱射して視界はまるで不思議な海の底のようです。
『巨大なイカのモンスターが住み着いており、人を食らうという―――』
一瞬でそのナイトハルトくんの言葉が蘇ってきました。眼前に一瞬気付かないほどの暗闇が突如現れ、
それがイカの形をしていると気付いたのです!そして―――――
ミルザくん「サルーインちゃん!!!」
何本ものおぞましい触手の一本に、サルーインちゃんがぐったりと絡められていたのです!
ミルザくん「サルーインちゃん!!――――うわああああああああ!!!!」
ミルザくんはレフトハンドソードで勢いよくイカのモンスターに飛び掛りました!
しかし攻撃はあまりに簡単に跳ね返され、ミルザくんの体もモンスターの弾力に跳ね返されます!
ミルザくん「く・・・!し、しかし『思っているより身が軽いし、息が苦しくない・・・』
      ―――そうか!!僕は『水の精霊球』を持っていたんだ!!・・・・よし!!
      サルーインちゃんの絡められている触手だけに狙いを絞り、まずはサルーインちゃんを救い出す!!」
ミルザくんがそう方針を決めると、即座にサルーインちゃんの絡まっている触手を切り付け、突き刺し、
叩きを入れますが、一向に跳ね返され、全く歯が立ちません。
ミルザくんは焦りを感じながらサルーインちゃんの顔を見ます。蒼白で、まるで生気を感じない
幻のような――――――もしすでに死んでしまっていたら!!
ミルザくん「・・・うわあああああああああーーーーーーーーーーーー!!!」
ミルザくんは何度も何度も立ち向かっていきます・・・



・・・ポチャン・・・
「ぷはっ!!!」
見渡すとそこはなにか静かで、物悲しく、美しい洞窟・・・
「一体なんだったというのだ・・・」
その青銀色の洞窟の中で目に痛いほどの深紅の水着を着た女性が、小さな泉状になっているところから
這い出ました。
???『手荒い真似、ご無礼を。しかしその荒唐さがあなたに似つかわしい気がしてな、サルーインちゃん』
サルーインちゃん「――――――――お前は!?」

その小さな青銀色の洞窟に、一つの玉座らしきものがありました。そしてそこに座っているのは・・・
『黒い鎧』でした。中身は?まるで暗黒、人が着ているのか空洞なのかも分からないその『黒い鎧』が、
まぎれもなくサルーインちゃんに話しかけてきたモノでした。
サルーインちゃん「貴様は一体!?・・・おい、こんなイベントあるなんて聞いてないぞなんだこれは!
     おいナイトハルト!!責任者出て来い!!」
???『ふっふっふ・・・あなたは実に混沌として・・・おもしろい。イベントといえば確かに
    イベントかも知れぬな。それ、あなたが通ってきた『水鏡』を見るがよい』
サルーインちゃん「『水鏡』・・・?――――!!」
サルーインちゃんは目を疑いました。そこには水中でイカのモンスターと対峙しているミルザくん、
そして絡められてぐったりとした『自分自身』のすかたがあったからです!
サルーインちゃん「なん・・・なんだこれは・・・・・!」
???『自分の姿がそこにあって驚いたか?ふふふ、しかし無論あなたのほうがずっとずっと
    うつくしい・・・真昼の月が決して太陽の輝きに勝てぬように』
サルーインちゃん「どういうことだ!!なんで私が二人いる!!いいやこんな『偽者』が!!
     お前は一体何者だ!!おのれ、なんのつもりでこの私にこの狼藉を―――」
???『さすがはあなたは真実のサルーインだ、偽者とよくわかっている。太陽の眩しさに
    なにもかもが白く映るミルザのようなめくらとは違うというわけだな。
    あれは水のゆらめきが作り出すまやかしのあなただ・・・愚者め、ミルザ!
    その虚ろな命のない瞳を見れば偽者だと分かって当然だというのに!』
サルーインちゃん「答えよ!!お前の名を言え!!」
???『私は誰かに「カヤキス」と呼ばれたことがある・・・それでいい。それより
    ほら!見るがいい!哀れな盲が必死で愛しき幻の為に戦っている様を!!
    ほうら!あなたの幻影の残りカスを必死で必死で救おうとしている健気な様を!!』
サルーインちゃんは『水鏡』を見ました。ミルザ。何度も自分の目の前を通り過ぎていったおかしな
男――――その男が今『自分』を救おうと戦っている。真実はあまりに無意味だというのに!
サルーインちゃんきっと「カヤキス」を見据えました。
サルーインちゃん「・・・・・貴様は・・・・・!」
カヤキス『―――!?』
サルーインちゃんの胸の辺りが不気味な光を発します。「カヤキス」ががたんと音を立てて動きました。
カヤキス『・・の輝き――――まさか―――――『糸石』は『糸石』と惹かれあう――――
     まさか!!!』
サルーインちゃんの胸からの輝きは不気味な邪悪さと公平なる真実の光をもって
カヤキスを照らし出しました。カヤキスの黒い鎧が歪み、中に人の顔が見えそうな気がしましたが
カヤキスが手で覆い隠しました。

カヤキス『神も知らぬ真理と知識をあたえたもう、『魔のエメラルド!!!』』

そうです。サルーインちゃんが溺れかけナイトハルトくんと看護婦に化けたラミアちゃんがその時
こっそりサルーインちゃんの胸の谷間に入れた『魔のエメラルド』が輝いていたのです!!
憎悪と・・・哀切との混じった顔を、サルーインちゃんはミルザと自分の偽者が映る『水鏡』に向けました。
サルーインちゃん「私はここから入ってきたのだ。・・・入り口から出て行ってなにか失礼があるか?」
カヤキス『―――――まさか!!よせ、どこに出るかわからないのだぞ!!それにあなたはカナヅチのはずだ!
     クリスタルレイクの奥底などに出たら――――』
サルーインちゃんは侮蔑と嘲笑の入り混じったあまりにも美しい笑みでカヤキスを見返しました。
サルーインちゃん「お前はこの私が湖を血で満たす戦いを、このよく映る鏡から優雅に鑑賞しているがいい!!」
バシャン!!・・・サルーインちゃんは『水鏡』の中に飛び込みました。



ミルザくん(く・・・!『水の精霊球』の力を借りてももう・・・限界だ苦しい・・・!)
ミルザくんは戦い続けていました。しかし一向に切れぬこの軟体生物に捕らわれたサルーインちゃん。
ミルザくんは一瞬絶望しました。・・・しかし決意をした顔を上げました。
ミルザくん(諦めよう・・・そしてこの『水の精霊球』をサルーインちゃんに渡すんだ!そして
      なんとか息を持ってもらい・・・僕は他のみんなに助けを求めにいく・・・それくらいの
      力は、まだ、なんとか、残っているはずだ・・・サルーインちゃん・・・どうか・・・)
サルーインちゃん「このおおうつけ者!!そんな幻覚とこの美しい私の区別が付かないか!このばかめ!!」
ミルザくん(―――――――サルーインちゃん!?)
背後から聞こえたその声、力を振り絞って振り向くと、そこにはサルーインちゃんの姿―――
今ミルザくんは気付きました、この生気にあふれた瞳こそ、この世で唯一のサルーインちゃんの証ではないか!
しかしサルーインちゃんは苦しそうにもがいていました。「カナヅチ!!」ミルザくんは思い出したように
水の精霊球を本当のサルーインちゃんに渡しに行こうとしましたが、もがきながらサルーインちゃんは
呪文を唱えました。

サルーインちゃん「・・・・・・・・・・・・ウインドウカッター!!!」

クリスタルレイクに竜巻が起こりました。凍りついた水面が砕け、ダイヤモンドダストのように
破片がキラキラときらめいています。
シェラハちゃん「これは・・・!!!」
デスちゃん「全力でのサルーインちゃんの風術だ!」
オイゲンくん「ミルザは・・・!!」
ゲラ=ハ「ミルザさん・・・・・!!!」



ミルザくんとサルーインちゃんは氷の破片できらめく竜巻の中心の目の中に浮かび上がっていました。
ミルザくん「無事だったのか、本当に君は生きているのかサルーインちゃん!!」
サルーインちゃん「このピチピチした美貌を見て分からんかうつけ者!!それより
      お前のほうが無事でないだろうが!それより聞け、ここには
      『水のアクアマリン』があるぞ!!」
ミルザくん「―――――――なんだって!?」
サルーインちゃんの胸に隠された『魔のエメラルド』の力で、サルーインちゃんの頭には次々と
真実が浮かび上がってきます。
サルーインちゃん「私が氷の上で水の渦に引き込まれたのも、『アクアマリン』の力。
      あのイカは『糸石』を守る金庫番だ、そして『アクアマリン』を持つものの
      忠実なしもべ!!私のあのいまいましいかわいくない幻覚を見せたのも、
      お前と戦ったのも、すべては主の命令と見て間違いない!!」
ミルザくん「――――アクアマリンがここに・・・!」
サルーインちゃん「・・・「糸石と糸石は惹かれあう」・・・」
そう言ったサルーインちゃんの胸から光があふれ出しました。
ミルザくん「――――サルーインちゃん、まさか!!」
サルーインちゃん「私は今一度あの金庫番に捕まる、次は偽者ではなく真実の私、
      そしてこの『魔のエメラルド』を持ってな。さすれば自然とやつは案内してくれるはずだ、
      クリスタルレイクのいづこかにある『水のアクアマリン』の元へ!!!」
ミルザくん「―――ばかな!!やめるんだ、やめてくれ!!あの化け物は切っても切っても
      びくともしないんだ!!『水のアクアマリン』は水中にあるだろう、
      君はカナヅチじゃないか!!・・・死んじゃうよ!!お願いだ、糸石なんてどうでもいい、
      元の、いつも神様さえあざ笑ってる君と、それを見ている僕でいいじゃないか!元に戻ろう!?」
サルーインちゃん「おい貧乏人!!いつまでも僕は貧乏人です!とか言ってていいのか!?」
ミルザくん「ぐ」
サルーインちゃん「あの化け物を倒す手はある、目を見開けば手段は見えてくる、見よ!・・・私が捕らえられ
      『水のアクアマリン』の在り処が分かったら、ミニオンたちのところへ行け!!
       出来れば水を増幅できる何かがあればいいのだが・・・しかし行けば分かる、ミニオンたちの
       ところだぞ!あと・・・・・・・・」
サルーインちゃんはそっとミルザくんの手の平を開けて、その中からさっき偽者のサルーインちゃんに
渡そうとしていた『水の精霊球』をなでるように優しく取りました。
ミルザくん「――――――――!」
サルーインちゃん「私に渡したかったのだろう?ま、しょうもないお守りとして受け取ってやる
       ・・・・・・・・感謝しろよ、ミルザ!」
そう言ってとんっ、とサルーインちゃんはミルザくんの体を押し、その反動で自分だけ氷の破片の舞う竜巻の
外へと出て行きました。
ミルザくん「・・・・・・・・・・・・・・・ああ・・・ああ!!!」



シェラハちゃん「ああ、姉さん!!!」
デスちゃん「サルーイン!!」
竜巻から飛び出し、氷の破片で切り刻まれて血まみれになったサルーインちゃんが宙を舞い、クリスタルレイクに
バシャーンと落ちました。クリスタルレイクにサルーインちゃんの誰より赤い血が流れていきます。
ゲラ=ハ「助けないと!!」
オイゲンくん「―――――――待て!!!」
水面が沸きあがり、そこから巨大なイカのモンスターが現れたのです!!
シェラハちゃん「ああっ―――――!?」
デスちゃん「あれが奇妙な伝承のモンスターか!?ナイトハルトよ!!」
ナイトハルトくん「・・・・・・おそらく」
そのモンスターは触手で血まみれのサルーインちゃんを掴むと、あっという間に再び水の中に
沈んでいってしまいました。
シェラハちゃん「おお――――ああ姉さん!!姉さん!!姉さん!!!!姉さん!!!!!」



ストライフちゃん「・・・・・サルーインちゃんだ!!見たか、間違いなくサルーインちゃんだ!!」
ワイルちゃん「血が、血が!!血まみれでした!!あのモンスターは一体!?」
ヘイトちゃん「ひゃああああああ!!!サルーインちゃん!!!死んではイヤアアァ亞!!!」

ジャミル「・・・・・・・サルーインちゃん!?一足遅かったか、俺のいない間に何があったんだ!?
     ・・・・・『水龍の腕輪』よ、願かけるぞ・・・・・悲劇なんて俺は絶対に見ねえぜ!!」

ミルザくん「―――――――サルーインちゃーーーーーーーーーーーーーん―――――――!!!」

ナイトハルトくん(・・・どうやらサルーインちゃんの血が『水のアクアマリン』まで
      案内してくれるようだな・・・そして『他のどれかの糸石』まで彼女がもっているらしいとは・・・
      ・・・・・・・・このゲーム、なかなかいいエンディングを選べそうだ)

「バファル寮、バンザーーーーーーイ!!バファル寮、バンザーーーーーーーイ!!!
 ぜえ、ぜえ、・・・これは何週すれば優勝なんだ?・・・バファル寮、バンザーーーーーーイ!!」


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